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浮岳茶寮/ギャラリー山ぼうし
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■「50歳になったら、福岡へ帰ろう!」

30代で福岡を離れ、東京へ。バリバリのキャリアウーマンだったお二人は、仕事にやりがいを感じ、都会でのアーバンライフを楽しみながらも、「東京は生活を楽しむ場ではない」と感じていたという。お二人にとって、50歳は、まさに、人生のターニングポイント。それまでの仕事もきっぱりとやめ、「あくまでも生活を楽しみながら、お客様にも楽しんでもらえる空間を創りたい」と願っていたときに出会ったのが、糸島だった。
 昨年の夏より、二丈町吉井のまむし温泉の近くに「浮岳茶寮/ギャラリー山ぼうし」というお店を構え、ほっとする安らぎの空間の中で、目にも舌にも心にも美味しいお料理を提供されている。(詳細はランチリポートへ・・・



■きっかけは、いとぐら?!
お二人は、同じ大学の同じサークルで出会い、同じ時期に東京で就職した縁で、同居生活を送るようになった。そして、同じ時期に福岡へ帰り、今は、共同でお店を開いているという…という、切っても切れない仲!
大学の時から、よく志摩半島を訪れていたそうで、「お店を開くなら、糸島に・・・」と漠然と考えていたお二人は、情報を検索しようと調べたときにヒットしたのが「いとぐら」のHPだったとか。(う〜ん、このいとぐら、やはり役に立っております!)
そして、1年がかりで行き着いたのが、二丈町吉井の古民家。まさに、イメージ通りの場所で、2005年夏から、新たな生活をスタートさせた。

■私達にしかできないことを・・・・
糸島に暮らし始めて1年半が過ぎたお二人に糸島の印象を聞いてみた。
「とにかく、自然環境がすばらしい。四季折々の風景は目を楽しませてくれるし、水がおいしい。(水の美味しさはお料理の基本でもある!)しかも、市街地へのアクセスもよく、必要なものは何でもある。本当に贅沢な暮らしだと思う。
また、人情味があり、海に開かれているという土地柄のせいだろうか、私達のようなよそ者を快く受け入れてくれる懐の大きさを感じる。人間関係の距離感など、私達が、地域の人に教えてもらうことが多い。」

地域の人と交わりながら、土地で取れる自然の食材を利用して、「生活の中から得たもの」に自分達の手を加えて、お客様に提供する。例えば、「これは、裏の山で取れた山菜です」「この野菜は、自家製です」といった一言が、料理の美味しさをぐっと倍増させる。「自信を持って言えるのは、私達がここに暮らしているから。生活の中から得たものには説得力があるし、お客様にもそれが伝わるのでは?」と語られるお二人の言葉は、確かにとても自然な響きがした。「都会に行けば、一流の店はたくさんあるけれど、比較できないところで勝負しよう!私達ならではのもので、お客様に喜んでいただこう」・・・そんなお二人の思いが、お料理にはもちろん、お店の随所に活けられた草花や、店内のあちこちにあふれているように感じられた。

■失われたいろいろな感覚を呼び覚ます空間でありたい
東京でのOL時代、時間や仕事に追われた忙しい毎日の中、おいしい料理や居心地のよい空間にずいぶんと癒され、元気づけられたそうである。そして、今、浮岳茶寮に訪れる人も大半が女性。仕事や家事、日々の生活の中で、いつの間にか亡くしてしまっているさまざまな感覚(例えばほっと深呼吸することとか、時間を忘れることとか、美意識とか・・・)が呼び覚まされ、ゆっくり元気になって日常に帰っていく方々も多いときく。まさに、お二人の経験が、ここで活きているというわけである。

「とにかく、お客様には、ゆっくりと贅沢に過ごしてほしい。そのためには、こちらがこだわりを前面に出すのではなく、あくまでもお客様に合わせながら、柔軟にやりたいと思っています」とお二人は語る。もちろん、大切にしたい軸はしっかりと持ちながらも、柔軟さを大切に、こだわりを持ちつつもそれにこだわらないこと。あの空間のなんとも居心地のよさは、こうした、お二人の姿勢から生まれているのかもしれない。


ランチレポート(浮岳茶寮/ギャラリー山ぼうし)
浮岳茶寮といえば、月替わりの季節料理(要予約)が有名だが、今回は、この春から始められたという「ギャラリー山ぼうし」のランチをレポートしてみた。

■タンシチューランチ(デミコーヒーつき) 1,575円

もともとは、2月のコース料理の一品と提供していたもの。
その味が好評で、ギャラリーでランチとして提供するようになった。
そしてこのタンシチューは、小林さんのお母様直伝の味だそうで、やわらかくとろけるお肉とデミグラスソースの芳醇な香りが口いっぱいに広がる絶品!

しかも、野菜サラダの多さが、更にうれしい!この野菜、裏の畑で、お二人が作られたものだそうで、さすが、みずみずしく身体が透き通るような味だった。


■松花堂弁当 1,575円

パッとふたを開けると・・・目にも美しい旬のお料理が彩りよく並んでいる。
母屋で提供しているコース料理のメニューに使われている品々とのこと。
福吉海岸で取れたひじきを使った手作り豆腐だとか、鶏肉にバジルペーストを巻き込んだものとか、とにかく一品一品に手がかけられている。
その一つ一つを口に含むと、あ〜日本人でよかった・・・・と思えるほどのシアワセ感も味わえる。
まさに、目にも舌にもおなかもおいしい贅沢なお弁当である。


*ギャラリー山ぼうしで提供するこの2種類のランチは、予約なしでいただくことができる。(11:30〜15:00)昔の馬小屋を改装して作られたギャラリーは、母屋の日本家屋とはまた一味違った趣があり、店内に流れるジャズに酔いながら、ゆったりとすごすことができる。おススメは、2階の座卓席。窓から見える景色もごちそうの一つ。
ギャラリー山ぼうし・浮岳茶寮
福岡県糸島郡二丈町吉井1965 TEL 092-326-6866 *月曜定休
※データは2007.4月のものです。

リポート:亜樹


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