糸島自然研究会 10月例会報告 能古島
清水和人
 平成16年10月3日(日)曇り。午前8時頃迄は雨が降りこヽ配していたが、家を出て暫くすると、雨は降り止み姪の浜渡船場に着く頃には路面も乾き山登りには絶好の日和となった。 午前9時10分。渡船場に集合した者7名。「出かける前の雨が災いしたのでしょう。人数は少ないが楽しく行きましょう。」と言って9:15発の能古島行きの船に乗った。海は少し荒れ波止場を出ると大きな船も少し揺れていた。とは言っても博多湾の中で皆は安心している。9時25分 能古島へ到着。参加費、写真代を徴収し、西回りのコースをとり牧の神社を目指し出発した。
 壇一雄旧宅前を通り自然探勝路までは海岸通りの、砂丘で・ハマヒルガオ・コマツヨイグサ・コウボウシバ等を観察した。庭先や道路脇では垣根や柿の木等に絡まっている・コバノボタンヅル・ノブドウ・ホシアサガオ(つる性で他のものに巻きつき、葉は卵円形で先が急に紬く尖る型が多い。3裂するものもある。花柄は一般に葉より長く、数個から10個以上の花をつける。花冠はロート状で径1.2〜1. 5 cm、上から見ると五角形〜屋形、淡紅色で中心部が濃色のものが多い。)その他、葉が深く切れ込んだ・ルコウソウ(栽培品)。黄色花の・イヌキクイモ。黒い実をっけた・ウドや淡紫色の・ツルボ等を観察した。
 自然探勝路からは高く伸びた・マテバシイ・スダジイ・タブノキ等の雑木の枝が坂道を覆い湿気が多い。雑木林の林床には・ホシダ・マメヅタ・ヘラシダ・カニクサ・アマクサシダ・オニヤブソテツ等のシダの仲間が多く目についた。大きくカーブした所は土地を平らにならし、能古島で良く見る小鳥や樹木の描画に20文字前後の説明をつけた説明板や、露出した巨岩に能古島を讃えた詩が刻み込まれ、訪れた人の気持ちを癒す工夫もされている。七合目位まで上ってくると眼下に「ぞう瀬」を見下ろせる場所がある。紺碧の海にぞうの背中の形をした黒い巨岩、岩に打ち寄せる白い波しぶき、思わず写真に撮りたくなる光景である。その他、能古島の地質、防人等の訳名板が立てられている。午前11時頃、壇一雄氏の文学碑の前に立つ。そこには絶筆の一句「モガリ笛 いく夜もがらせ 花ニ逢はん」が刻み込まれていた。ここは北西が開け、玄界灘が眼下に見える。青い海に白い船体の漁船がゆったりと行き交う。遠くには黒く重量感のある大型タンカー、黒く霞ん岬や玄界灘に浮かぶ島々など、見事に調和した大自然が一望できる。
 此処まで観察できた植物は(重複をさける)・ムサシアブミ・ウバユリ・ハエドクソウ・ヒヨドリバナ・ヒヨドリジョウゴ・ベニシダ・ハスノハカズラ・テイカカズラ・フウトウカズラ・ヤブラン・センニンソウ・マサキ・トベラ・ハマビワ・シャリンバイ・マユミ・シロダモ・ヌルデ・アカメガシフ・クサギ・ゴンズイ・ヤツデ等である。
 午前11寺30分頃、自然探勝路へ再び引き返し、牧の神神社へ向かう。神社前の市営公園に着くと、地元の方々が大勢い陣取っていて「今日は牧の神神社の神事で、祭典が終わり、これから宴会です。あなた方もお参りして かたらんね!」とお誘いを受けた。皆は神社へお参りして、少し難れた所で昼食にした。
(管理が行き届き、桜の木も多く春は絶好の花見場所であろう。)
 能古島発14:00の船に乗るため、t2時30分頃帰途についた。神社前の公園を出て、アイランドパークの門の前(西鉄バス駐車場前)で集合写真を撮り東回りで渡船場へ向かう(大泊→上手崎→城ノ浦→能古島渡船場)。坂道の東側は博多湾が一望できる。大型タンカー・韓国へ向かう大型客船・志賀島行きの客船が行き交う中を小型漁船が幾隻も漁をしている。遠くには志賀島、福岡市の高層ビル、福岡ドーム等々が見える。帰りの足は遠いが途中観察したものは・ネナシカズラ(ヒルガオ科、草や低木に巻きつく寄生植物で、葉緑素をもたず、緑色の部分がない。蔓は淡褐色、花は汚白色で、先は五つに分かている。)・タカサブロウ・ベニバナボロギク・ガガイモ(花期はすぎ、白い花が2〜3個残っていた。)・カラスウリ・ノダケ・ハコベ(白い花)・コスモスの花・ジャノヒゲ ・ヨメナ・シラヤマギク・シマカンギク等である。
 能古島渡船場到着午後1時40分。出発まで20分程時間があるので、コーヒーを飲んだり、お土産を買っている人もいた。午後2時に乗船、姪の浜渡船場着2時10分。 (解散)



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