糸島自然研究会 11月例会報告
清水和人 |
11月例会 牧の戸峠〜黒岩岳
平成16年11月11日(木)曇り時々雨。昨夜からの激しい雨は明け方になって小雨となり、午前8時家を出る頃は雨が上がる。橋本氏の車で松田皮膚科前に到着すると、既に大勢の方が集まってあった。早速、橋本氏が本日の参加者一覧表を取り出し、6つの班に分けた名簿を本日の担当者へ渡し、それぞれの班長になって頂く、班長は配付された名簿を見て班員の名前を呼び一列に整列させる。全員揃った班から「○○班何名揃いました。」と橋本氏に報告し、貸切りバスヘ乗り込む。
午前8時30分。37名全員が揃い出発。バスは富料金所から高遠路を走る。姪の浜近くになったとき、「あっ1青空が見えてきた!」「晴れてきた」と喜びの声が聞こえてきた。バスは約1時間30分で山田ICへ到着。 10:40には九重料金所を通過。
大きなカーブと、どこまでも続く坂道をバスは勢いよく上っていく。 11時30分頃、牧の戸峠バス停着。長者原付近迄は晴れていたが峠近くになって霧が立ち込み、視界が悪くなる。バスから下りて辺りを見回すと、前方の黒岩岳の姿は全く見えない。風も出てきた。暫く立っていると寒くなる。急いで合羽を身につけ、近所にいた勝田さんや井上さんと相談し、第1展望台(バス停から300m程、登った所にある。)迄のぼり、展望台の屋根の下で、井上睦男氏から晴れた日に展望台から眺望できる山を紹介して頂くことにして登山路を登る。登山道路のわきには・アセビ(ツツジ科、花は4〜5月頃。山地に生える低木で、葉は堅く、表面は艶があり長楕円形、先は尖り上半分の縁にぎざぎざがある。花は枝の先端に軸を出し白色の細い壷形をした花を下向きに多数つける。有毒植物。名の由来は「足しびれ」、「汗疣」等から転じたという説がある。)が移植されている。近くには・イヌツゲや真っ赤に紅葉したドウダンツツジを見る程度だ。 展望台では井上氏が「皆さんの後方が黒岩岳で、此処から30分で頂上まで登れます。またの機会に登って見てください。およそ360°見渡されて素晴らしいです。次に、今登ってきた坂道と反対側に登っていけば沓掛山。右手の方へ登山道を進むと、星生山→久住山→中岳へと登ることが出来る。手前の方は長者原から登る「すがのもり越えのコース」にある白い煙が立ち上っている硫黄山を見ることができる。さらに左手の方に三つの山が速なって見えるのが、三俣山です。私は若いころ黒岩岳から沓掛山へ登り、星生山、久住山、中岳、ぐるりと廻って硫黄山、三俣山へと2日間かけて登りました。」
1日に歩いた山は?とか、女性も登山出来ますか?等質問が出て寒さも忘れていた。
12時頃下山。峠を12:15分出発し長者原ビジターセンターヘ向かう。12:30分、長者原(九重登山ロバス停)着。駐車場の売店わきにある芝生の広場で昼食を取る。昼食を早めにきりあげ、長者原・自然研究路(タデ原湿原ともいう。)をひと回り。
ここは海抜1000m〜1100mに位置し、草原あり、湿原あり、それにまれに湧水があり、長者原・自然研究路は草原から森への変化をつくる散歩道にもなっている。私達はこの散歩道を約1時間探索して帰ってきた。
広い木道の脇は野焼きの準備でしょうか、約3m幅でススキが刈り取られている。 「広々とした野焼きはすごいだろうなにと言いながら、黄褐色に輝くススキの原を見るとススキの株の間に枯れて花の総包だけをのこした・ヒゴタイ(キク科、山野に生える多年草,茎は直立し高さ1m位。葉は白っぽい。)が点々と見られた。木道の下は湿原で僅かに水が流れている。「あっ1リンドウの花レと叫んだ。振り返って見ると、少し枯れかけたリンドウが1本あったo木道のカーブは幅広い休憩場所となり40人前後の集合写真は撮れる。ここで三俣山の紅葉をバックに集合写真を撮る。
更に進むと・ミズナラ(ブナ科、山地に多い落葉木。幹は直立し樹皮は黒褐色を帯び深い裂け目がある。雌雄同株で5月頃花をつける。)・ノリウツギ(ユキノシタ科、山地に生える落葉木で高さ2〜3m位。夏、枝先に円錐花序をつける。幹の内皮で製紙用ののりをつくるので、のりうつぎと言う)。その他、この樹林には・クヌギやリョウブ・ウリハダカエデ・コシアブラ等の落葉樹がみられた。林床には・クマザサ・シャクナゲ・ミヤマシキミ(ミカン科、山地の樹下にはえる常緑木。高さ50cm位。
枝は直立し枝分かれする。葉は柄があり互生で毛がなく、革質で油点がある。この時期は枝先に紅く熟した美しい実をつける。有毒植物)。 ・ミズゴケ(蘇苔類、湿原や腐植土トに群生し、茎は直立し淡い緑色。枝葉は密生し、広卵形)。小川の淵に生えている・クサギ・ヤシャブシ・ニワトコ等を観察しながら駐車場の売店前まで戻ってきた。ここで疲れを癒すため、40分間の自由時間をとる。
駐車場のわきにある長者原ビジターセンターヘ入る人、売店の庭先にある「足湯」につかる人、売店の二階にある温泉に入る人。皆は楽しそうだった。 4時40分、長者原駐車場出発。バスの後部座席でば’ススキが原は素晴らしい。とかT黒岩岳は濃霧の為登らなかったが、長者原のタデ原湿原で十分楽しんだ。」等の話が出ていた。この声を聞いて担当者もホッとした。前原駅前5:30到着(解散)
☆参考文献 牧野日本植物図鑑。九州の花図鑑。 |
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