糸島自然研究会 9月例会報告
清水和人 |
9月例会 立石山(209m)
平成16年9月12日(日)晴れ。芥屋バス停集合、参加者15名。芥屋公園では黒く熟したムクの実を見つけ、「美味しいよにと言って仲間を誘っていた。公園を出て芥屋海水浴場前まで来ると、50人〜60人の子どもたちが元気に泳いでいる。私達は子ども遠の元気な姿にひかれ、砂浜を歩いていた。白い砂浜には・クボガイ・マツバガイ・パイ・イガイ・ホタテガイ・サクラガイ等の綺麗な貝殻が沢山打ち上げられていた。何人かは出来るだけ殻がかげていない物を探し、大事に持ち帰っていた。
芥屋ビーチホテル(今は休業中)の横を上り、大岩のある平磯展望台の前を通り、自然歩道を上ると、・ヒメユヅリハ・クロキ・シャシャンボ・アラカシ・ノグルミ・イタビ力ズラ・ミズヒキ・ツルボ・サワヒヨドリ・シロダモ・ハマビワ・ササクサ・コシダ・ヤマテラシ等が観察された。湿った岩影には・アカテガニが我々を威嚇するかのように大きな爪を持ち上げ横の方へ急いで行った。林床には・コシダが多い。地質は糸島型花岡岩類で風化が著しく、石英抄がザラザラしている。露出した大きな岩には石英や長石の結晶が見られる。アカマツは花岡岩類の山によく生えるが、ここでもアカマツが多い。ただしマツクイムシの被害と台風による塩害で赤く枯れたアカマツが目立つのは惜しい。
中腹まで上って来ると、大門崎から大ロ浜、可也山、博多湾を一望出来る所がある。特に眼下に見下ろす大門崎方面の景観は素晴らしい。股のぞき石から股ごしに大門崎を見る人もいた。ここで集合写真を撮り、喉を潤し一休みして頂上を目指した。露出した岩肌には幾種類もの地衣類がはりついている。 ・ウメノキゴケ類、チズゴケ類、ヘリトリゴケ類等で、しばらく見ていると絵模様にも見えて楽しい。このように種類が多いのは湿度などの他に、都会と違って空気がきれいなためである。山頂近くの巨岩の下に小さな鳥居が立った祠が祭ってある。地元の方が時々お参りに上って来てあるのであろう。お花やお水が供えてあった。山頂(209m)には航空標識や測量地点を表すコンクリート製の杭が打ち込まれていた。北側の谷間にはトビが数羽、上昇気流にのりゆつくり輪を描いていた。近くでは小鳥の聯りも聞こえてくる。
山頂から南へ少し下った所の、道路わきに展望台があり、ここで昼食をとる。ここからの景観は脊振雷山山系の山なみが遥に横たわり、眼下には引津湾や加布里湾が入り込んでいて見事である。ここでも集合写真を撮った。(約1時間休憩)
午後1時頃、南側の尾根筋を下る。この尾根筋では・オミナエシ・ママコナ・キンミズヒキ・ヤマモモ・ヤマツツジ・サルトリイバラ・スダジイ・マテバシイなどが目につく。この山で東側は樹木が茂り麓の丘陵地はに柑橘園が広がっているが、西側は裸岩が多く、樹木の成長も悪い。(10年前までは、峠へ出て、福の浦側へ下り、途中から山を振り返ってみると、巨岩がそびえ立ち、筑前妙義山とも呼ばれる景観を見ることができたが、今では路傍の・オオバヤシャブシ・スギ等が繁りその景観を見ることは出来ない。)
そこで今回は、峠へ出てから林道を下る。路傍の開けた平地にはゴミが放置され、更に17号、16号台風で倒れたり折れたりした木の枝も端のほうに寄せたあった。台風後の応急処置として、林道の下草刈りや倒木の枝を落とし、短く切り、道路わきに寄せ、車が通るようにしてある。このままの状態だとゴミの放置場所になる恐れがある。また、山麓には溜め池が点在していて、灌漑用水に苦労していることもわかる。ところが、福の浦、野辺埼、岐志の丘接地は別荘地として次々に家が建てられ開発が進められている。
立石山一帯は国有林を含んで玄海国定公園の第一種特別地域に指定され、隣接する福の
浦や野辺崎は第二種特別地域である。リゾート法の適用に対しては景観を崩さないこと、水対策、ゴミ対策、動植物に対する影響、等々十分な配慮をお願いしたいものです。
このコースで観察した植物を植物図鑑を参照して紹介すると、
・地衣類では |
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