糸島自然研究会 3月例会 野辺崎〜福の浦海岸 報告
清水和人
 平成17年3月6日(第1日曜日)曇り時々雪。前夜から冷え込み、雷山山系の山々は雪化粧をし一面の銀世界だ。屋根も真っ白、県道大野城市二丈線は車道の中央は雪がとけ車は走っているが、両端の土手や田畑は雪が5〜7cm程の積雪である,午前7時頃雪は降りやみ、北の空は青空も顔を出してきた。
 とにかく集合地の志摩町岐志バス停前まで冨高さんの車で行くことにした。9:10バス停前に到着。10分程待っていると、清原さん、蒔添さんが見えた、バスも定刻に来たが下車する人はだれもいない。集合した5人で野外観察を中止するか、少ない人数でも実施するか相談した。9:30分頃になると風も止み、日もさしてきた。天気予報でも次第に晴れてくると言っていたことだし、野外観察を実行することにした。
 それぞれ車に乗り野辺崎まで行き、磯の貝や海藻、磯辺の植物を観察した。干潮帯近くの岩場では・ムラサキイガイ(般の頂点は尖らないで三角形をなし、岩の間等に群がってついている,)・ヨメガカサ(かいがんの岩に平らな皿状で固くついている。殼には放射状の黒いすじがある。)・ウノアシガイ(形はウの水掻きを持った足のような形をしている。大きさ3.5 cm位、太いうねが7本ある。)・スガイ(この貝のふたに酢つけると石灰質の部分がとけるためグルグル回るので子供が喜ぶ他の貝でも石灰質のものはこのように回る。)・ケガキ(潮間帯の岩礁に群がってつき。殼は小さく、4〜5cmで岩につき、かわらをふせたようである。)
 岩場のタイトプールでは・ミドリイソギンチャク・ヒサラガイ・アラレタマキビ・イシダタミガイ等を観察した。潮間帯の岩の裂け目などに・カメノテがかたまってついている。 乾いた岩の上には多くのクロフジツボも見た。干潮の時岩かげによく見られる・イボニシなどを観察。
 海藻では・フクロフノリ・テングサ・フクロノリ・アナアオサ・ウミウチワ・イロロ・ワカメ等を観察した。
 磯辺の植物としては・ハマユウ・ハマゴウ・ハマウド・タイトゴメ・マンテマ・ハマボッス・ツルナ・トベラ・ハマヒサカキ・アオキ・ハマダイコン・テリハノイバラ等々を見て、福の浦海岸へ向かった。
 途中3〜4ヵ所道路福を広げ車が4〜5台駐車出来る青空駐車場が設けてある。釣り客等大いに助かってあるのではないかと思った。家族でのんびりと磯遊びする場所としは、おすすめの場所である。私達も海防越しに姫島や唐津湾に浮かぶ島々をしばらく眺めた。更に進み、福の浦の綿積神社前の駐車場に車を止め、暫く海岸を歩いていく。
 地元の方でしょうかゴム長靴を履き、長い竿で海岸に打ち寄せて来ている・フカメをかき寄せてあった。製塩所近くの海岸でも・ワカメをかき寄せている人が2〜3いた。近くの海岸には・ワカメの他半分裂けたようになった大きな・フクロノリや・クロメ・カジメ・テングサ・ウミウチヮ・ジョロモク・ノコギリモク・ホンダワラ等が打ち上げられていた。70歳近い叔父さんが「ワカメ持って帰らんね!ここに置いとくよ」と言って乾いた岩の上に5〜6人分どっさっと置いて行かれた。一言お礼を言って先へ進んだ。製塩所近くに海岸から上って行く鉄製の梯子が立てかけてあった。この梯子を上って製塩所の庭へ出た。庭先には夕日を楽しむ為のテープルや手作りの椅子の他バーベキュウ用のかまどや丸太を並べた椅子、日除けのため菰を張った屋根付きのステージもセットしてある,来客には出来上がりの塩も販売してあった。塩作りの説明もします。とも書き出してあった。
 庭先のテープルの上には、磯から拾ってきたであろう、古い船板に小さな丸い穴がたくさんあいているのが置いてあった。これはフナクイムシの住か跡である。図鑑によると「穴の入り口は小さいのですが、なかを見るとすっかりトンネルだらけになっています。ヤスリのようなからで穴をあけ、木材を食べてしまいトンネルの中で生活をします。そして水の中から水管だけを出しています。」とかいてあった。庭先から出て大きな岩が転がる岩場へ出ると、潮間帯近くの岩にはフクロフノリが群生している。少し深い所には・ワカメ・ホンダワラが、手前の方の岩場には・アオサが沢山ついている。次の大潮には大勢の村人が出てワカメ切り、磯菜かきで賑わうでしょう。岬の先端へもう少し進と白い硬そうな岩に沢山の小さな穴が開いている。二枚貝の中でかたい岩に穴をあけてすむイシマテガイは酸のようなもので穴をあけると言われている。また、ニオイガイは、からの前の部分がやすりのようになっていて、からだを回転させながらこれで穴をあけてすんでいると言われています。どちらの貝が穴をあけて住んでいるのか分かりませんが、とにかく珍しいものを見た。
※参考文献 保育社 こ学生動物図鑑」 旺文社「貝と水の生物」
      保育社 「原色日本海藻図鑑」  北隆館「牧野日本植物図鑑」




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