糸島自然研究会 8月例会 水生動物観察会(川付川)
瀬知従子
 平成17年8月7B(0)晴れ、昨日の繰り返しの雷雨が。今日も来るのでは、水量は増えてな
いかと心配であったが本日は最高の川遊び日和である。日照は予報どおり容赦なく30は3〜4度越えていたはずである。長糸のいこいの家「ゆめの里」,に9 : 30集合。例会担当の井上さんはすでに水量の点検を済ませてこられた子ども達と一旬に手作りの魚すくいの網をと取り掛かったが子どもの姿は見えない。とうとう昔の子ども途で工作の時間を楽しみ10本余りの網を作り上げた。10時近く川付川へ出発。途中宇美八幡の支石菖前に駐車し5分程歩いて現地へ2台だけは荷物を運んで!見地まで行く。現地近くで特つ人も含めて14名の参加である。残念ながら子どもの参加者jt無い。希望者は数名あったが子ども会やスポーツの行事と重なり参加できなくなったという。
 川付川は長野川より西側600mほどに平行して流れ宇美八幡の近くで合流している。白糸の滝を源流とする流れである。宇美八幡より400mほど上流の民家の前に観察地点を設定。大きなセンダンの木が目当てになる。生活や川遊びに活用できるようにコンクリートで楽しいスペースが作られている。上の段は幼児にも安全な浅い流れが、更に飛び石で降りると自然の流れと川原や草むらの茂みがある。其処より上流へ20m、下流へは橋の下まで30mほど安心して観察できる。(欲を言えばもう少し広い方が…・)とは言え、こんなに条件がいいのに子どもの参加者が一人も無いのが悔やまれる。
 着いた途端にもう、冨高さんがハヤ(ハエ)の収穫。子どもの頃の彼女が見える。ハヤだハヤだと皆の弾む声。と、金貞さんの同窓でこれはカワムツだろうと言うこと芯実は皆がハヤ(ハエ)と言っているものはカワムツやオイカワやウグイの総称だそうである。初めて知ったのは私だけではなさそうだった14名、それぞれに網を持っての川遊びの姿は5・60年前の姿そのものに違いない。1時間も経たないうちに4コのノリト(白い不透明の深さ10cmほどのケース)にはおおよそに種類分けされた生きものがいっぱい泳いでいる。10cmほどの大型のカワムツ、1・2cmのカワムツとメダカくらいの稚魚、貝(カワニナ)・トンボのやご、ドンコ(ドンボ)ミズカマキリ,その他川虫がくっついていそうな石等も。ヤゴも丸っこいのや長いのがある。まるいのはサナエトンポだということだ。ミズカマキリ1或長い尾の先を水面に出している。呼吸をしているとのこと。又大きい鎌の間に小さな突起があるが、此処からぴゆっと消化液を出して小動物に吹きかけ捕らえるという。小さな虫の気持ちになってぞくっとした。川原の上に飛ぶ蝶はツマグロヒョウモン、アカタテハと教えてもらうが素人目にはなかなカその姿が捕らえきれない。
インターネットで調べるとやっぱりよく似た色模様であった。黒っぽいカエルと緑色のカエルがつかまった。黒っぽいのはヌマガエル、背中に緑の筋が特徴的なのはトノサマガエルだそうである。ヌマガエルの特徴は背中の縦に走るぶつぷつの筋が浮き出ていず、すべすべしているとのこと。トノサマガエルの小さいのは、今までアオガエルと見過ごしていたかも知れないという声も聞こえた。
 12時近くセンダンの木陰で弁当にする。時々川風も吹いて心地よい。カぜの誘いで頭上のセンダンからお客さんが降りてきた。シートの上に数匹、まだ幼いような緑色のシャクトリ虫がせっせと歩きだす。シャクトリムシはシャクガの幼虫でその特徴は普通の青虫などと違い体の前部と後部のみに足があり尺を計るような歩き方をする。またカメムシが体にとまる。警戒させると臭気を出しそう。そっとそっと人から人へ、ウシカメムシかと思ったらシラホシカメムシだと言
う。臭くなかったらもっと愛せるのに、本当に美しい羽根である。予備調査の時にも来ていたホ
ウジロカ吟日も姿を見せる。金貞さんが準備された望遠鏡でしばし再会を楽しむ。メダカ様の
稚魚が気になる。7×21の拡大鏡で覗いて見るうち,背中全面小さな斑点が美しく輝いて見える。
やっぱりメダカでなくてカワムツの稚魚であろうと思われた。川のすぐ上の川上邸のバクチノキを観察に行く。前原市の保存樹となっている。突然樹皮が剥げ落ち参禅になるのでそれにちなみ、博打(ばくち)と言う名が付けられたと言う。ちょうどその時期と見えて見事に幹が赤肌である。(樹高17、89m、幹周り2、62m、・推定樹齢100年以上)
 1時になり、顕微鏡観察が必要なものだけ残して川に返しいこいの家へ帰ることにする。途中宇美八幡に寄ってキセルガイの観察をする。キセルガイとは水生の生きものではなく木等にくっついて棲息する。まるでタバコのあのキセル状の形をしている。木にぱかりかと思っていたら石碑にもくっついている。又暑気を避けるかのように日陰を求めるような位置、湿気の多そうな位世に片寄ぅているかに見えた。大木のイチョウだけでなく藤棚のフジの幹にも棲息している。
 いこいの家で顕微鏡観察をする。水生鮮吻ではコカゲロウやヒラタカゲロウの幼虫と思われる姿がとらえられる。石にへ4fりついた二つの眼点が見える1cmほどのプラナリアか?ヒルの仲間か?今日見つけた魚や貝・川虫などから見て、福岡県保健環境部環境整備局公害課発行の資料に照らして見ればここの水質は最高にきれいな水とは言えないが、きれいであるがやや汚れが混じっていると言う程度であろうかと思われる。
 更に双眼実体顕微鏡でアプラゼミの被服や単眼の観察をする。3個の赤いルビーをはめ込んだような単眼の美しさに見とれる。又途中の畑で頂いたニガウリの雄花の花粉は真黄色で丸くうにの粒々を思わせるしうねった葯の姿も又興味深い。
 その後、あらゆる生物(特に蝶)に憧憬が深く研究に熱心な井上準一氏に研究の方向性・初歩的心得などお話頂き3時過ぎに終わりとした。




いとぐらTopへ
<<いとぐらTopへ戻る>>