糸島自然研究会 11月例会 高租山
大塚 治夫 |
平成18年11月12日(日)快晴。今宿野外センター15イカー組5名、パスに変わる路線タクシー組5名が10時10分に集まった。挨拶のあと本日のコース説明があって早速出発。園の入り口近くに見事に紅葉したイロハモミジがあり、最初のシャッターを切る。「鉢伏山観音コース」は茶畑から始まった。
昔一休さんのトンチ話に、偉い方から「茶の実」を見たいと言われ、時期外れのため「茶飲み」のお年寄りを連れていったという、その茶の実と花が見られた。シロダモ、ゴンズイ、フユノハナワラビ(丈の高い胞子葉はなく栄養葉のみだった)白い実をつけたイズセンリョウなどを観察する。3M位の高さがあるこの木はムラサキシキブかそれともヤブムラサキか、実のつき方の特徴からムラサキシキブとしたが、帰宅しての写真判定でヤブムラサキだったと判る。ヤマシロギクであろうとした花があって、紛らわしいのにシラヤマギクがあるという瀬知さん、こちらは花ぴらが不ぞろいなのが特徴だとのこと。
サケパヒヨドリと面白い名の植物があった。「咲けばヒヨドリ」とは何だろうと思い、図鑑を見ると「裂け葉ビヨドリ」である。ヒヨドリの鴫<頃に花が咲くという。真っ赤な実を付けたジュズネノキがあった。牧野図鑑によると根が数珠状になるのでこの名があるそうだが、実際にはそのような株は少ないという。似たものにアリドオシがあるが違いは針が葉よりも長く突き出しているのがアリドオシで、こちらを「長針の突き通し」と連想することで覚えることにした。
鉢伏山観音に着いた。言われを読むと後のほうに清賀上人の名が出てくる。この方はこの地方でどれ程の功徳をつまれたのか、伊都国弘法太子とでも言ってあげたい気持になる。ここで膝の具合がもう少しの清水会長他2人は戻って別のコースで観察することになり、7人は高祖山頂へと進んだ。
なんとセンブリの花を見つけた。1〜2センチの高さしかなく―輪が咲いて曹が一つある。すぐにそれと判ったのは一月位前に大分の方の山で、初めてその花を見ていたからだ。そのとき花を拡大撮影すると素晴しい色模様であった。サツマイナモリの花が申し訳ないように小さ<咲いている。季節外れのようだがこの時期から半年間<らいは鑑賞できるらしいと冨高さんが言った。
こちらも帰宅した後に葉の形から同定できたマルバノホロシを、赤と一部がまだ緑色のままの実をつけた状態で見つけた。この実は食べると害がある。ホロシから顔などにブツブツができるホロセを連想されるだろう。この他にヒヨドリパナ、ホソバタブノキ、ササクサ、ハマクサギ、クリハラン、ネジキ、ノグルミ、ツルシキミ(ツルミヤマシキミ)、ホオノキ、フユイチゴ等を観察した。麓から聞こえてくるエーデルワイズの音楽時報を耳にしながら、計ったように12時高祖山頂に到着。
南側の日当りのいい場所を思い思いに陣取りし楽しみの弁当を開<。眼下には開発著しい雷山の森やゴルフ場が、東南には背板山系の山々がクツキリと見える。また北西方向には可也山が綺麗な形で望める。食べ終わって風が冷たくなり下山を開始。下りは「自然観察コース」に入る。ここの傾斜も少し険しい。足元に草花はほとんど目につかず雑木林の上は気持のよい青空だ。中間点では福岡市と周辺、遠くは筑前大島までのパノラマにしぱし見惚れる。
さて別行動の3入はというと165M地点から自然観察路に沿って、能古見台を左に275M地点へ向け登る。(ここは分岐点毎に高度標識があり、入口で貰うことができるハイキングコース地図にも記入してある)
丸太の階段が結構急坂である。途中、コショウノキに似た赤い実をつけた、しかし背丈が2Mもある木。葉を透かして油点が見えることからミヤマシキミだろうか?275M地点から下る途中イタチシダ、フユノハナワラビ、イノモトソウ等、その特徴を清水会長から説明してもらったとのこと。
山頂組が13時40分に野外センターに着いたが、その少し前にこちらも到着していて2組が合流。記念撮影をした後、路線タクシー利用組も2台のマイカーに分乗して帰路に着いた。 |
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