糸島自然研究会 2006年 4月例会 立花山(4月9日)
 橋本 あつこ ・ 瀬知 従子
 出発地の下原に向かうバスが、香椎に近づくにつれ、ラクダのコブの様な、三つの山が見え始めました。右端の一番高い山が、今日登る立花山(367m)真中は松尾山(343m)左端が白岳(315m)です。
下原バス停から東に、総勢24名(会員8名、会員外16名)で先ず、立花山下原コースへ向け、出発しました。今日はうす曇りで、風もなく暖い、絶好の行楽日和で。ウグイスの鳴き声も聞けました。道の両側や、山の中腹に、満開のサクラが、見えました。今年の桜は、先週から今週にかけ、二週にわたって開花が続き。こんなことは、この数年では、珍しいことです、民家の庭にシキミが白い花をいっぱい咲かせています。
出発して程なく、左に大権現コースを分け、右に溜池を望む辺りから、樹林帯となりますヤマアイ、シャガ、キランソウが脚もとに。コジイやアラカシ、の中を歩いて10分程して、このルートの唯一の、水場に着きました。
このあたりから道は、少し急になり、クスノキが、覆いかぶさるようになってきました。水場から15分で尾根にあがり、ここが分岐点になっています。右が後で行く(三日月山272m)への縦走路、左は立花山の山頂への道、真直ぐは立花山山腹を巡り、立花口へ降る道です。
今日はこの分岐点から直接登らず、立花口に至る道を廻り、南斜面に位置する、クスノキの原生林を見に行きました。立花山のクスノキは、国の特別天然記念物となっていて、数と大きさがきわ立つだけでなく、群落としては国内での北限地であることも特徴です。日頃神社などで見かける、こんもりと横に広がる木ではなく、少しでも太陽の光を取り込もうと、丈が高いのが特徴です。
この原生林一帯のものは樹高30m、樹齢300年(推定)を越えている、といはれています。尚この原生林は古処山のツゲの原生林、沖ノ島の原生林と共に福岡県を代表するものです。
原生林を見た後、立花山山頂へ向かいました。途中右へ入った所には、山頂に山城(立花城)があった頃の古井戸が残っています。
山頂には12時20分に着き、昼食を取りました。今日は東側の登山口である、立花口で山開きの行事があったとかで、それに参加した人が多数登って来ていました。
晴れた日は、博多湾、福岡市街、玄界灘が一望出来、遠くには糸島半島の一部も見えます。今日は春かすみの為に、人工島がどうやら確認できる程度で、その先に志賀島らしきものがぼんやりと見えていました。
昼食後、もとの分岐点に降って縦走路を通り、三日月山に向かいました。縦走路は起伏が少なく、40分程で三日月山に着きました。山頂は草原状で、360度の展望が開けているのですが、立花山と同様に、かすんで良く見えませんでした。
昨日の夕刊に「山頂の西下にある長瀬ダムの渕の桜が満開で見事」との記事が載っていましたので、若しかしたら見えるのではなかろうか、と期待していましたがほとんど見えませんでした。
帰りは縦走路を少し戻った所から、左に降りました。途中に山桜の大木がありましたが、花は終わり、落ちた花びらが、きれいな花道を作っていました。山から降りてきた所には、サクラ、レンギョウ、チュウリップ、ハナモモなどが咲き乱れてとてもきれいな風景でした。少し降ると三日月温泉があり、その前を通って下原バス停に向かいました。以前はこの温泉で、山登りの後に汗を流せたらしいですが。今は宿泊者だけしか入れないと聞いています。
14時40分頃、下原バス停に着き、散会しました。


○立花山で観察できた植物
ノボロギク・シキミ・キランソウ・ムラサキケマン・ヤマアイ・シャガ・ヤマコウバシ・ゴンズイ・アオキ・アリドオシ・タチツボスミレ・ヒサカキ・ヤブムラサキ・ネズミモチ・シロダモ・コナラ・エゴノキ・ヤマハゼ・クロキ・テイカカズラ・イヌツゲ・ヤマザクラ・ヤブニッケイ・カゴノキ・バクチノキ・立花山大クス・イヌガシ・イヌガヤ・ネコノチチ・シュンラン・イヌビワ・アカメガシワ・カラスノエンドウ・スズメノエンドウ・ヒメウズ・シハイスミレ・イズセンリョウ・ネコノメソウ・イノモトソウ・ヘラシダ・アマドコロ・ホウチャクソウ・フウトウカズラ・キズタ・クサイチゴ・ナガバモミジイチゴ・タツナミソウ・ミツバアケビ・ウグイスカグラ・マムシグサ・ネジキ・バリバリノキ等を観察できました。



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