糸島自然研究会 2006年 6月例会 柑子岳(6月11日)
 瀬知 從子
 天気予報では今日は雨の予定であった。しかし心配とは裏腹に、何と良い天気。予定の9時45分には、すでに30名近くの参加者が集結。シーサイド病院でトイレを借りて、出発する。3台の車が先導と後備の役をしながら、一の谷登り口まで徒歩で誘導、約1時間。
すでに一の谷駐車場には、マイカーが4、5台、そのあとにも2、3台来られて、総勢38名の参加者となった。世話係としては気が引き締まる。出席票を書いてもらい。清水会長の話の後、村上登り口まで20分ほど歩く。
柑子岳は、400〜500年前には城が築かれ、臼井氏が志摩郡を支配していたという。一の谷から村上までの道中、テイカカズラ・スイカズラ・マンネングサ・ツユクサ・ママコノシリヌグイの花を楽しむ。ママコノシリヌグイは鋭い刺を持って、ミゾソバと明らかに区別できる。又茎を包み込む托葉や、三角形の葉・鋭い刺はイシミカワと間違えそうであるが、花や実の違いで、区別できる。ママコノシリヌグイを、糸島の方言であろうかビキノツラカキとも言うと、会員の発言もおもしろい。いずれも刺とげの厳しさを表している。丁度クワの実が真っ黒く熟して、食べ頃であるが、手が届かず断念。
村上登山口からは、突然丸太材の階段である。近年、土地の人の仕事であろうか、丸太で延々と険しい階段が、頂上近くまで続く。
無理ができない人3人、平地の観察をということで残られる。頂上へ向かったのは35名。階段の両サイドに、ムサシアブミの花・マムシグサ・アリドオシ・ウド、階段の足元に、キランソウの花、そして残り少ないクサイチゴの、味も楽しむ。目ばかりでなく、ウグイスやホトトギスの音色にも、耳を傾ける。
ヤブムラサキも、いっぱい蕾をつけ1、2分可愛い花が開いている。ショウガ科のハナミョウガの、赤い線の入った白い花が美しい。私はヤブミョウガと誤って言ったと思うので、此処で訂正しておきたい。ヤブミョウガはツユクサ科で、葉のつき方が全く違うし、花は白く実は黒く、花の時季も少し後になる。サンショウやナガバモミジイチゴ・サルトリイバラ(サンキライ)・ゴヨウアケビがあちこちに芽生えている。秋も楽しみだ。

 11時50分思いの他早く北展望所に着く。大変疲れた人、意外に楽だった人、疲れは人様々のようである。周りの植物を楽しめたものの、それにしても大変急な階段の連続は厳しかった。254mという程よい標高が、せめてもの救い頂上からは大変見晴らしがよく、西の浦の方向には蒙古山、その右手の上に玄界島が見え、改めて玄界島の高さを確認した。反対に南側では、右手にシーサイド病院、左に川添記念病院が見下ろせる。
頂上と北展望所の二手に分かれて昼食を取る。登る途中は蚊に襲われることはなかったが、食事中には蚊やアブの仲間らしき虫に、襲われるなど辛い。北展望所で、可愛い唇形の小花を発見。葉が何とも怪しい。

※ 摘んで嗅ぐとウっと臭い。クサギのにおいだ。調べて見るとやっぱりハマクサギであった。「匂いは人によって良い香りに感じる人もあるそうですよ。」 とのこと。そう言えば、ハーブだって、癒される人もあれば、絶対いやだと言う人もあるとは言え、匂いとは反対に、クサギもハマクサギも、花の何と美しいことか。 1時、頂上に全員集合して記念写真を撮る。頂上は、予備調査の5月にはカノコソウが咲いていて、渡りの前の、アサギマダラが、飛び交っていたのに無惨に、一面刈り取られていた。それに代わってキアゲハ・モンキアゲハ・キチョウが見られた。
下りは手すりのない、又も険しい坂である。事故のないようにとの、計らいで5・6人単位にグループ分けして、間隔を置いて降りることにする。
マテバシイの株立ち、マサキ・シロダモ、足元に可愛い紫色の小花、もしやと見上げると、やっぱりセンダンの花盛りで有る。たった1本ムラサキニガナ発見。一の谷への下り道では、特にでっかく成長したムサシアブミが多い本当にムサシアブミの大きいものと同定して良いものか心配である。ハクサンボクが蕾を着けている。緑の中に赤い実が目って可愛い、ニワトコもある。
ハリギリの幼木も可愛く嬉しい。里近くなった所でヒナギキョウの小さいブルーが目を引いた。
くだりはアッという間で1時35分に一の谷駐車場に着いた。それぞれに車に分乗し帰路に着いた。 心配した雨にも遭わず途中心配された体調の方も元気になられ無事観察会を終了した。



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