糸島自然研究会 2007年3月例会報告 「地の島」

報告者 井上睦男
 会報3月で案内していた列車に乗り東郷駅に着いた。参加14名。東郷駅前から乗車を予定していたバスの前のバスに間に合った。私と松原氏以外はこのバスに乗って出発。
 二人は案内していた便に合わせて来る人がいるのではと思って、バス停に残った。暫く待っていたが他に参加者はなく、二人は予定の便で迫いかけた。バスの終点 鐘崎から、港を目指して一目散に走った。 10時45分の定期便は出航前から満員になり既に船は出ていた。前のバスで出発した人達は、この船に乗り込んで、港にはいない。地元の人の話では「定期便が早く出たのは昨日まで「つばき祭り」が開催され多くの観光客が訪れて来た為です。」と教えてくれました。
 定期便より15分程遅れて臨時便が出た、二人はこれに乗り地の島の泊港へ向かった。船は昨夜の風雨の影響で大揺れして、船体が波をもろにかぶり驚いた。松原さんが勝田さんと連絡をとり、定期便に乗った人は、泊で下船後直ちに目的地へ向かって出発したことが分かった。
 案内では稜線のつばき道路を歩く予定になっていたが、坂道沿いの椿は暖冬の影響でピークを過ぎていることが分かり、また、観察出来る草木も少ないので、県道を歩くコースに変妁こなっていた。二人は泊港に下船し急いで後を迫うと、程なく皆と合流できた。
 コースを変えた為にゆっくり観察しながら歩いて色々な植物に出会った。泊港を出発して程ない所の右側に池島小学校があり、運動場で二匹の黒山羊がたわむれているのどかな光景も見た。学校を過ぎて、県道の峠を越した所の左側に、椿の大きな古木が数本あり、花も残っていたので、椿見物の目的も叶った。更に進むとかなり海岸に近いところまで、椿が沢山移植されており、その幹に島の学童が色々な思いを書いた木の札が下げてあり、ほのぼのとした気分になる。
 お昼を過ぎ適当な昼食場所が見当たらず困っていたら、県道を下りた所に良い場所がみっかった、ここで昼食。今日は少し風もあり肌寒いため、昼食後、早々に島の最西端の倉瀬展望台に向かった。平坦部の椿ロードを歩く。空は次第に晴れてきて、展望台に着くころは風はあるものの綺麗に晴れ上がった。途中日当たりのよい右側の山の斜面にタチツボスミレが沢山咲いていた。私達以外にも見えてあった。
 倉瀬展望台からは、すぐ前に大島、遠くには玄界島が見える。西側には絶壁があって、大波が打ち寄せ素晴らしい眺めだ。また、絶壁の下の平らな岩には海鵜が沢山いた。
 予定では15時35分の船便で帰るところ、白浜港に予定より早く着いたので14時5分の便に乗ることにした。港近くの海岸では青空市で買い物をして出航時刻を待つ。出航時刻が迫り乗船場所が予備調査の時と違っていて大慌てした。帰りは風が追い風で船はたいして揺れなかった。
 鐘崎からバスに乗ると乗客は殆ど我々だけで、バス出発の際は事務所の職員が手を振って見送ってくれたのに、皆は喜びを感じました。
 佐賀県の或る温泉のキャッチフレーズに”忘都(ぼ〜っと)しませんか”と言うのがありますが、今日はまさにそんな気分にさせられた一日でした。(終わり)

今日 観察した主な植物を列記。―植物園は 学生版牧野日本植物図鑑より―
・オニタビラコ

道端などに生える普通の2年草。
根元の葉は束生。
・キランソウ

道端や土手などに見られる2年草。
茎は四方に広がり地を這う。
葉は対生し、ときに紫色をおびる。
・シロバナタンポポ
四国、九州各地の道端に生える普通の2年草早春に地下の根茎より根生葉を束生。葉は白緑色をおびる。
総包片が外側に反り返る。
・タンポポ
関東、中部の原野や道端に生える2年草。総包片は反り返らない葉は食用する。カントウタテンポポとも言う。
・フラサバソウ
ヨーロッパ原産の帰化植物だが、現在は各地の空き地、畑地、道端生える2年草。花が咲く時期でも根元の子葉が枯れないで残っている。
・オオイヌフグリ
畑地や道端に生える普通の2年草。茎、葉ともに毛があり下部の葉は対生。上部の葉は互生する。
草本
・ハルノノゲシ・ホトケノザ・トウグイグサ・ハルリンドウ・ボタンボウフウ・オドリコソウ・ハマダイコン
・スミレ・タテツボスミレ・ツルナ(ハマチシャとも言う)・タイトゴメ・ハスノハカズラ・ヒメウズ・ハマウド
・ナキリスゲ・ヤマアイ

木本
・ニンドウ・ムベ・イメビワ・ハマビワ・テイカカズラ・シロダモ・ヒサカキ・タブノキ・カクレミノ
・キブシ・ホンコンカポック?(栽培種)・トベラ・クサイチゴ・フユイテゴ・アカメガシワ



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