糸島自然研究会 2007年4月例会報告 「野外観察」井原溜池〜端梅寺ダム公園

報告者 橋本あつこ
 4月になって戻ってきた寒で今朝は8度、心地よい野遊びの1日となった。
今日はまず、集合地の井原バス停のそばの、牡丹邸で有名な三苫さんのお庭の花々を観賞させて頂いた。見事な牡丹そして傍のこれまた大木の石楠花の咲き誇る姿にしばし見惚れる。つつじも大きな蕾を沢山つけて、足元にはショカッサイがいっぱい咲いて、広い邸は花の楽園そのものであった。  車は、このそばのお寺の駐車場を借用した。
 8時50分井原バス停出発。井原溜池に映る花を期待して歩いたが、花は葉になって私たちを迎えてくれる。今日の溜池は静かに葉桜の影を映していた。
 此処から、瑞梅寺ダム公園に向かう。溜池の土手に目立つ色のムラサキサギゴケを見る。道端は、ムラサキケマン、オドリコソウ、タチイヌノフグリ、カキドウシ、と春を讃える草花で埋まっている。
  「これが、カラスノエンドウ、こちらがスズメノエンドウ、そしてこれはカスマグサ」、との説明が聞こえる。これは、田の畦を這い回っていてよく似ているマメ科の植物で、葉の先はどれも巻きひげになっている。比べてみてとでも言いたげに3種類が並んでいた。
キツネノボタンの花の黄色も陽に輝ききらきらと美しい。
 山道に差し掛かるあたりは、クサイチゴの純白の花盛りで、いちごを摘みに又来たい話も出ていた。この辺には、にょきにょき鎌首をもたげたマムシグサや、よく似たムサシアブミも多く、佛炎ほうは似ているが、茎や葉の違っている様を良く観察することが出来た。
 シラユキノゲシの群生は、造園業者の上地らしい。ここではミツバアケビの花をみる。黒紫色で3弁の花が3個、その先にある小さな蕾の房と思ったのは実は雄花であることを、その場で開いた本から学んだりしながらゆっくり歩く。
 シロダモやハクサンボクなどの新芽や、アカメガシワの愛らしい赤い芽も吹き出し始めている。
  「アオガエルだあ」の大声を出したのは勝田さん。飛び出してまた飛んでいってしまったらしい。声はしたが姿を見ることは出来なかった。
 遅れ組みの我々は、先頭に30分程遅れているとのことで急ぐことにした。
 白い蝶や黄色い蝶も畑の回りを飛び、鳥の声も聞こえるが詳しい先生の金貞さんの参加が無くて残念。ヒョドリ、ウグイス、メジロ、シジュウガラ、スズメなどは聞き分けた。
 瑞梅寺の民家近くにある大きなグミの木は花盛りで蜂の羽音の賑やかな横を抜け、橋を渡りやっとダム公園に到着したのは12時40分だった。
 ダム公園の桜の花はまだ残っていた。風に舞う花の下で早速弁当を開く。
 先頭組の皆さんは、実態顕微鏡で、ネコノメソウの雌雄の花や、スイバの花を観察中だった。感歎の声が「うわ〜きれい」と上がっている。
 確かにミクロの世界で覗くと、あの何でもなさそうなスイバの花の一つ一つが目の覚める美しさで見えた。自然の素晴らしさと精巧さに改めて感動した。
 13時30分集合写真を撮ってダム公園を後にする。帰路にもハナウド、タニギキョウ、フデリンドウ、川のそばめアブラチャンらしい黄色の花の蕾はまだ固いなど等、次々に現れる草花たちに目を奪われ、先頭組にまた遅れてしまった。
 井原の駐車場には、14時40分に着いた。先頭組は30分前に到着で、清水会長が残って他は解散して下さっていた。ここで車に分乗して全員解散とする。

 「観察した植物」
  「ア」 アカメガシワ、アブラチャン、アレチマツヨイグサ、イズセンリョウ、イヌビワ、イワガネ、
      ウバユリ、オオイヌノフグリ、オオジシバリ、オドリコソウ、オニタビラコ、オヘビイチゴ、
  「カ」 カキドウシ、カスマグサ、カラスノエンドウ、キジムシロ、ギシギシ、キズタ、
     キツネノボタン、キランソウ、キンポウゲ、クサイチゴ、クサノオウ
  「サ」 シハイスミレ、シャガ、シャク、ジュズネ、シラユキノゲシ、シロダモ、シロツメクサ、
      スズシロソウ、スズメノエンドウ、スイバ、セントウソウ、
  「夕」 タチイヌノフグリ、タチシノブ、タチツボスミレ、タニギキョウ、ツルニチニチソウ、
  「ナ」 ネコノメソウ、ノハカタカラクサ、ノビル、
  「ハ」ハクサンボク、ハナイバナ、ハナウド、ハハコグサ、ハルノノゲシ、ビメウズ、
     フデリンドウ、ホトケノザ、ホラシノブ、
  「マ」マムシグサ、ミツバアケビ、ムサシアブミ、ムラサキケマン、ムラサキサギゴケ、
  「ヤ」 ヤシャブシ、ヤプツバキ、ヤブヘビイチゴ、
  「ラ」 レンゲソウ


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