糸島自然研究会 2007年9月例会報告 川原渓谷〜熊野神社(9月9日)

記録 若宮八恵
 九月になっても、尚秋暑が続く。川原バス停に14名集合し、清水会長から「川原山への登山道は、工事中の為通行禁止ですから、山麓の観察を行います」との挨拶の後、午前9時15分に出発した。
 田園を右に見ながら川原集落の方へ入ると、キンポウゲ科のセンニンソウが、他の木などにからみつき、群がって白い花が咲いている。隣に、ウリ科のカラスウリが、緑色の実を3つ下げている。やがて川の水音が聞こえて、イラクサ科のカラムシが、群生し、マメ科のクズも茂って蝶形、紅紫色の花を、総状につけており、ツユクサ科のヤブミョウガも、白い花を多数つけており、キク科のシオンは、淡紫色の花、キクイモは、黄色い花を空に咲かせている。
 右手対岸に大きなキリの木を見て坂を登ると、清流がすぐ道の脇を流れ、切花の束を浸けてあり、野菜などの洗い場にもなっている。民家には古い石垣が築かれ、歴史の重みを感じた。民家の途絶えたあたりの藪には、センニンソウに似ているボタンズルが花盛り。葉がボタンの葉と似ているのが、名の由来とか。ふと、鯉川さんが「これは何ですか?」と、可愛い小さな花をつけた1本の茎を差し出す。すると瀬知さんが「ホドイモ」と、即、名解答!に歓声があがる。地下に伸びた茎に丸い芋がつき、食用に栽培されている由。近くに同じマメ科のノササゲも、黄色い花を下げていた。
 道は少し山路へ入り、清水会長が、緑色の葉を指して「これはアオキです。秋には実が赤くなります。ミズキ科の雌雄異株(いしゅ)です。」と、説明される。ふと、私の足元に、ポトツと落ちてきた。なんと“青蛙”すかさず橋本さんが、カメラに収める。別に逃げる気配もなかった。
 山林地内によく見るクワ科のイヌビワが、紫色に熟した実を沢山つけており、野鳥遠の餌になるかな?
 バラ科のキンミズヒキ、ダイコンソウが、黄色い小花をつけ、白い小花を咲かせて湿地にあるのは、キク科のヌマダイコン。林縁にタデ科のミズヒキが、赤い小さな花を穂状につけている。この穂を逆にして見ると、白く見えるのを、水引にみたてた由。花の名前の由来を、瀬知さんが説明して、皆が、納得!
 赤い目印のある山道を登ると、斜面に沢山のマメ科のコマツナギが、淡紅色の多数の花をつけ、ヌスビトハギも、白色や、淡紅色の小花を咲かせて、実も見える。黄の形が、盗人の足跡に似るというのが、名の由来とか。私が、はじめて自然研究会の活動に参加した頃、夫義次も、元気で会員と一緒に歩き、植物の形態や、名前の由来などをやさしく説明していた。「そのかみに共に歩きし萩の花」
 近くには、キク科のシュウブンソウ、ガンクビソウ、ヤブタバコも散見し、キツネノマゴ科のハグロソウは、淡紅紫色の花が、上下に分かれて反り返ってさく。アカバナ科のミズタマソウは、長い軸に多くの花をつけ、丸い実が、水玉に似る。
 ふと、長い蔓に、大小のつぼみや、花をつけたキキョウ科のツルニンジンを見つけた。携帯していた山渓ハンディ図鑑の「野に咲く花」で、バアソブと分った。
 歩きながら、ふと見上げると、ヤマゴボウ科のヨウシュヤマゴボウが、赤く長い柄から黒い実が沢山暴れ下がっている。突然、勝田さんが、アレーツ!と、大きな声。−すぐ近くにマルミノヤマゴボウが、完全に立ち枯れていたのだレ比較して見るのに好都合の筈だっために。
 午前の部を終わって、ゆっくり昼食タイムをとり、12時20分頃から出発した。清水会長が、マルバハギと、ヤマハギの葉を1枚ずつ掌にのせて、その違いを説明され、次にオミナエシ科の、オトコエシ(A)と、キク科のヒヨドリバナ(B)が、偶然に、並んで咲いているのを比較して、頭花の違いについて、(A)は、白い小花がはっきりするが、(B)は、頭花が、散房状にモヤモヤしている。
 左へ細い道を下り、濡れた道路を降りて進むと、滝があった。涼風に、しばらく立ち止まりカメラを向ける方もある。野尻さんは、ピッケル片手に渓流を下り、無事上がってこられた。しばらく林縁を行くと、なんと珍しい蝶のアサギマダラが、長旅の疲れを癒すかのように、茂みの葉にゆらゆらと、とまっていた。
 苔むした石段を登って、熊野神社に到着した。ツクツクボウシの声が森の中から聞こえるが、鳥の声は、あまりしない。拝殿の近くに、コンテリクラマゴケが、美しく広がっている。花や蝶等の写真撮影で遅れていた大塚さんも合流し、大杉の前で、記念撮影をすませて神社を後にした。午後2時頃、出発地に無事帰着。マイカーの方々に、お世話になりまして有難うございました。
 観察した他の植物
[木本類]アカメガシワ クマノミズキ カラスザンショウ マツカゼソウ アリドウシ
[草本類] ボタンクサギ アカバナ クマイチゴ カエデドコロ テリミノイヌホウズキ
 キツネノマゴ アキノノゲシ
[シダ類]タチシノゾ ポラシノブ カニクサ ヘゴ

参考図書  益村聖著「九州の花図鑑」


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