糸島自然研究会 2008年11月例会報告 [野外観察]立石山(11月9日)

清水和人
早成20年11月9日(日)曇り。久しぶり冬の季節に戻ったようで、風は冷たく感じた。午前10時10分 芥屋第一一駐車場に集合した者12名、参加カード記入、参加費徴収が済み。
10:20第一一駐車場を出発。 200m程進んだ所で、道端の植物観察を始めたばかりの頃、金貞氏が車で来て皆と合流された。皆が「金貞さんが見えた、野鳥観察もできるね!」という。
金貞氏は何時ものとおり、望遠鏡と望遠レンズを付けたカメラを肩に掛け「どうもどうも」と言いながら皆の所へ来る。マサキに絡みついているコボタンズル、テイカカズラの赤みがかった長いサヤ見て、この鞘が弾け種は長い白毛で遠くまで飛んでいくよ。など早速皆の中に入って説明をしてある。 ・アメリカセンダングサ・チカラシバ・イノコヅチなどのひっきむしについても幼いころの思い出話をしながら、簡単に布のなどに着くと言うと、回りの人たちも幼い頃、わいわい騒ぎながら上着の胸に付けて道んだ事を話しだす。最初の溜池まで来るとゆるやかな坂道となり坂道の東側は雑木林が続く。西側は田んぼや畑があってまだ開けている。溜池の奥の方に十数羽の水鳥が泳いでいる。金貞氏は望遠鏡をセットして野鳥観察を始める。近くにいた人達は代る代る望遠鏡を覗き、ゆったりと泳いでいる野鳥の姿について話している。皆が観察が終わったところで、望遠鏡の三脚をただみ、再び道の両側に育つ植物を観察しながら上って来る。
この坂道では・ハマビワ・アキグミ・ツルグミ・トベラ・ハクサンボク・オオバヤシャブシ・クサギ・ゴンズイ・クマノミズキ・キリ・カラスザンショウ・ヨメナ・ヒヨドリバナ・トキリマメ・ツワブキ・ヤブムラサキ・ノグルミ・シラカシ・アラカシ・ツブラジイ・ドングリ・ゴヨウアケビ・ヤマブドウ・フユイチゴ・エビズル・カラスウリなどなど葉っぱのザラツキ、つるの巻き方、木肌や樹皮の色やひび割れの様子等々詳しく観察している。
なかでも、・キリについては中々同定かできなかった。キリはキリ属 ゴマノハグサ科に入れる考えもあるとされている程同定か難しい。キリは落葉高木で高さ10m、胸高囲50cmに達する。樹皮は灰褐色で多くの皮目がある。葉は長い柄があり、広卵形で軟毛がある。または3〜5浅く裂け、長さ10〜2 0cm、幅7〜16cm、表面は短毛があり、裏面は密に繊毛がある。
若木のものは5角状の広卵形となり、時に牙状の芽がある。葉は大きくて長さ30p以上となり裏面に繊毛がないこともある。(花は5月である。花の大きさ種子などについては省略する)
分布は温帯:九州(宮崎県、大分県の山中に自生する。)隠岐島にも自生するが原産地はよくわからない。口本、及び朝鮮で古くから栽培され岩手県南部が名産地であると言われている。
材は軽くて、くるいが少なく湿気を通さないので、家具、器具材として貴ばれ、タンス、楽器、火鉢、箱、下駄などに用いられる。
台湾にはタイワンギリ、ココノエギリなどが自生し、病虫害に強く、生長も早いので日本でも栽培しされている。
名称がよく似ている・アオギリ(アオギリ科)がある。これも落葉高木で高さ15mに速する幹は直立し樹皮は緑色、小枝は太く、若いときは軟らかい毛がある。葉は10〜3 0cmの長い葉柄があって互生し、3〜5中裂している。
分布は亜熱帯、琉球、台湾、中国、インドシナ等ですが、最近では街路樹として植えられ、日本南部では野生化している。
峠近くになると道端の湿気が多いのか・ダイコンソウ・オナモミが観察され・シダの仲間も多くなってきた。最上の・クマノミズキの葉や・イヌビワの葉は紅葉がはじまっていた。
今日は野鳥観察や植物観察に時間をかけたので、峠には正午を過ぎ12時20分頃到着した。
清水、若宮、金貞三人は峠の広場で昼食、残りの方はスイスイと立石山山頂を目指した。
13:20頃山頂へ登った健脚組が峠まで戻ってきた。皆「山頂からの眺めは素晴らしかった、北側の芥屋大門崎方面や南側の加布里湾から脊振雷山山系の眺望は見事であった。」と言う。皆が下りてきて-一息ついたころ、広場の日当たりのよい場所で集合写真を撮り、芥屋第一駐車場へ向かった。大きなキリの木の所まで来ると、勝田さんが「これは・シナギリかなと言う。」皆は何のことか理解出来ていないようだ。中国で桐、白桐、泡桐というのは・シナギリのことである。勝田さんはこの中国産のキリのことを言ったのではないかな私ぱ思った。このように帰途でも植物観察をして帰ってきた。駐車場に到着したのは14:30頃、帰りのバスの発車時刻まで後少しだ。急いで解散した。               終わり



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