糸島自然研究会 2008年1月例会報告 野外観察 宮地嶽(前原市)(1月13日)
記録 若宮 八恵 |
前日の雨が朝まで残っていたが、清水会長はじめ15名、「おもいたち広場」に集合した。野鳥観察の為に、金貞さんが、望遠鏡を2台用意され、1台を勝田さんに運んでいただく。清水会長が、春の七草や、ミヤマホオジロの解説のある、油山自然観察の森「もりのしんぶん」のコピーを持参されて頂いたのを配って、簡単な説明をされ、午前9時半頃出発した。
歩き出して間もなくぶれあい広場を過ぎると、道が二手に分かれている地点から、先ず右手(西)の方に野鳥観察の為歩きだした。人家の近くの梅の木には、沢山の蕾がふくらん・でいて、すぐに咲きそうな様子で、暖冬のせいかなと声もする。樹の茂みの方に、メジロ、ビヨドリ等の鳴き声は聞こえるが、姿は見つからず、進路をユーターンして、先の、分かれ道へ戻ることにした。タネツケバナ、ハコベ、ツユクサ科のハナミョウガや、サトイモ科のマムシグサに赤い実が沢山あり、ヤブランには黒い実は見当たらない。ビロードイチゴの葉に触ると、ビロードそっくりだった。林縁に葉の先端の丸いホラシノブ、先端の細いタチシノブなど、シダも多い。ゼニゴケには胞子が沢山立っていた。
分かれ道から参道を登ると、北側の藪には、コシダ、ノキシノブ、マメヅタ、イノデ、ヤブソテツ、ベニシダ等、名のわからないシダ類もある。手入れのされていない山は、竹が群生して、若手の労働力を失った農村の縮図が、ここにも見られた。
こんもりと茂った森にかこまれた宮地嶽神社には、いろんな樹木が多く、つぶらな実の、スダジイ、フテバシイや、ムクノキ、ケヤキ、秋には紅葉のきれいなカエデ、林縁の、アオキに赤い実、ヤブツバキには花が咲いている。ゴンズイの赤い実がはじけて、黒い実が飛び出し、藪かげに、カラスウリの赤い実や、キカラスウリの、丸い実も下がっていた。
前原市内の、小冲.高校の校歌広場の下を過ぎ、キリの樹に、黄色い曹が沢山ついている。ヒヨドリやメジロの鳴き声を、聞きながら進むと、マメ科のトキリマメも、赤く熟して二つに割れ、黒くて艶のある種子が顔を出している。
坂道を上がると、海の神様として古くから栄えている宮地嶽神社の境内に到着した。大きなイチョウ、クスノキ、ウメ、拝殿の近くには、サカキ、スギ、クス、オガタマノキ、苔むした境内には、ツツジも植えられている。紅梅の花も、一輪みつかる。参拝後、記帳簿に「糸島自然研究会員15名」と、記入した。境内の大きなマツの幹の割れ目に、キセルガイを探したが、見つからず、ツクツクボウシの抜け殼や、カマキリの卵が付いていた。昼食を済ませて、0時20分に出発して、とっぺん広場へ、落ち葉の道を歩いていると、「アオジや、シロハラの声がする」と、金貞さんの小声に、辺りを探すが見つからない。
足元にカラスザンショウの実が、幾つも落ちている。小鳥の好物との事。円形の案内板のあるとっぺん広場は、北風が寒くて、写真を撮ってすぐに、加布里駅の方に、細い坂道を下った。ビナンカズラや、ヘクソカズラの実があり、アカネ科の、アリドオシに赤い実が、トゲの間にたくさん付いている。「コゲラが、近くにきている」との、金貞さんの声に、確かにコツコツと、樹をつつく音がしたが、見つからない。まだ寒いとはいえ、どこか春隣の感じもする林中に、鳥語を楽しむ。
林の中を下って行くと、人家があり「宮地嶽神社登山口」の通路に出た。ここから少し歩いて、団地の近くの釜塚古墳に向かった。近代的な団地のすぐ近くに、小高い円形の古墳を、子供達は、ケーキのようだと、云っていたとか。最上段には、大きなソテツが茂っていた。加布里駅の方に帰る方途と別れて、おもいたち広場の方へ向かい、林縁の斜面にきのこの仲間の、ツチグリが幾つも見つかり、寒中には珍しかった。ハクサンボクにも、赤い実と、蕾も、一緒にみえた。更に、しばらくして、今朝往路では見られなかったミヤマホウジロが、4羽もいて、望遠鏡で、鮮やかな黄色のとんがり頭をキャッチ!、シジュウカラも見て、みんなで大喜びした。その後、おもいたち広場に戻り、午後2時頃無事終了した。
観察した他の植物
[木本類]ネズミモチ カクレミノ クサギ ハゼ ヤツデ マサキ
[草本類]ベニバナボロギク センダングサ ハコベ ナズナ イヌホウズキ ツワブキ |
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