糸島自然研究会 2008年4月例会報告 牟田溜池〜瑞梅寺ダム公園(4月13日)

清水 和人
 平成20年4月13日(第2日曜日)曇。 4月例会は羽金山〜河童山を予定していたが、予備調査の結果、距離が遠いことや時期的に観察する草花が少ないこと等の理由で急遽目的地を変更した。今目のコースは農家の方が時々農作業や山仕事に行き来する道で軽トラックも走る農道で、数年前例会で来た道でもあった。その為、会としては改めて予備調査はしていない。
 早く来た人は神社の西側にある三苫さん宅を訪れ見事に開花したボタンや、シャクナゲ、ショカッサイ等が咲きみられるお庭を見学していた。橋本さんが集合時間になったので三苫さん宅まで呼びに行った。住吉神社前に集合した者17名。「今にも雨が降りだしそうだ!」と言いながら、参加カード記入、参加費徴収を済ませ10:20頃神社前を出発した。
 沿道の民家の庭先にもボタンやアイリスなどが咲き道行く人を楽しませていた。農道脇の草花も・タンボボ・ヤブタビラコ・ジシバリ・シロツメグサ・カラスノエンドウ・キュウリグサ・ハナイバナ・アザミ等が花をつけ、私達の足を引き止めた。やがて、牟田溜池の上手を登った。上手は粘土質の赤土ですが、多くの人が踏み固め階段状になり、その縁に・チカラシバ・オオバコ等が生え登り易い、土手のうえまで来ると、大きな桜の古木が私達を待ちわびたように僅かに花を残していた。今日は無風状態、湖面は静かで周りの山や木々全てが鏡のように写し出されていた。あまりの見事さに皆は歓声を上げた。「来年は桜の花時期に来よう!」「きっと素晴らしいよ!」と話し合っていた。溜池の広い土手には・スイバ・ギシギシ・ヨモギ・チガヤ・シダの仲間なとが生い茂っていた。
 溜池の土手を下り、井原上の薄田池の方へ向かった。溜池の土手の周辺には・クサイチゴの花やクズ・カラムシ・イタドリなどが元気に伸びていた。牟田溜池の土手下を通り過ぎて井原東から来た農道へ出て牟田溜池の東の谷を登った。道路脇の林床にはみずみずしい葉をつけた・オドリコソク・セリ・ハクサンボク・ムラサキケマン・キランソウ・フキ・ツワブキ・シャガ・チャ・シダの若葉が目に入る。更に上へ登ると道を挟んで東が薄田地、西が牟田溜池と同時に見ることができた。 「さっきの溜池はここまで続いているの!,広いね!」と言う声も聞こえてきた。ここからは農道の西側が田んぼや畑地跡で日当たりが良く、道路脇には・レンゲソウ・ノビル・スミレ・スズメノヤリが生えている。再び農道は竹林や杉の人口林に覆われ昼間も暗い道となった。道の両側は・マムシグサ・ムサシアブミ・アマクサシダ・イズセンリョウ・ハナミョウガ・ヤブミョウガ・ヤブラン・ジャノヒゲ等が育っている。この暗い道を抜けると田んぼが広がり、耕運機で花いっぱい付けた・レンゲソウ畑を耕してあった。「もうすぐ田植えが始まるな!」と思ってしばらく立ち止まって見ていた。枯れ木や小枝の間から山北の浄水場が手に取るように見えた。大きなカープを曲がると、目の前に辰ケ橋の民家の屋根が見えて来た。
 空模様は一段と悪くなり、今にも雨が降りだしそうになってきた。道端の植物観察もそこそこそこに、広い場所を探し前へ進んだ。勝田さんが「ここらで早く弁当にしないと雨にあいます」後ろの方でもそんな声がした。瑞梅寺集落へ下っていく大きなカーブで弁当にした。
 弁当もそこそこに済ませて帰途につく。皆が出発して200〜300m過ぎた頃から雨が降り出した。私は橋本さんが車で送って下さいました。

キュウリグサ (ムラサキ科)

花は3〜5月、畑や道端に生える、花には淡青紫色で、
大きさ2mmていど、花は多数総状につき、先端は渦巻きになる。

ハナイバナ (ムラサキ科)

キュウリグサによく似ているが、上の方まで各花
に小さな葉がつき、先端は渦巻き状にならない。

マムシグサ (サトイモ料)

テンナンショウとよく似ているが
筒が紫色である。5〜6月頃花を開き、雌花と雄花
は別の株に着く。秋になると果実は熟して赤色となり
味は辛い。

ムサシアブミ (サトイモ科)

暖地、特に海に近い林に生える多年草。
葉は2枚、対生し、小葉には強い光沢がある。
5月頃葉の間から茎を出し、紫色の花を開く。果実は秋に然して赤くなる。花の形が鐙に似ていることからこの名がある。

ギシギシ (タデ科)

原野に多い多年草根は大きく黄色。
全体が緑色で赤味を帯びることはなく、
葉も大きい。花は淡緑色で6月頃開き
貼実も緑色で三つの翼かあり、へりには鋸歯がある。

スイバ (タデ科)

 一名スカンポ。多年草で雌株と雄株がある。
ギシギシより小形で、全体に赤味を帯び、穂も赤味を浴びた緑色で、果実の翼に鋸歯がない。噛むとすっぱい。


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