糸島自然研究会 2008年8月例会報告 「親と子の自然観察」(8月10日)

清水 和人
 平成20年8月10日(日)晴れ。今日も朝から気温がグングン昇り猛暑日となりそうだ。9時30分 伊都歴史博物館4階の大ホールに集合した者大人15名、子供15名(最年少3歳くらいから小学3〜4年生)。大ホールの中でも子供たちは、魚すくいの網をシッカリと手に持って、今にも外へ出たそうだ。
 9:30からオリエンテーションですが、勝田氏が今朝早くファームパーク前の川に仕掛けた魚蝋に沢山魚が入っているから、別に大きな容器を持つて来てください。と言ったので、4階迄飼育ケースを取りに行ったり、解剖顕微鏡や魚の図鑑、シャーレ、スがイド等の準備で10分ほど遅れてオリエンテーションを始めた。オリエンテーションでは、外に出たとき親はどうするか?と言うことをプリントに従って簡単に話した。次に瀬知さんから「本日の日程と川に入ってからの諸注意」をして頂く。話が終わり10:20分頃、魚すくいや川遊びの準備をして玄関前に集合し、全員揃ったところで出発した。目的の川まで50m程です。小さい子も網や飼育ケースをしっかり持って歩いてきている。目的の川(川原川のファームパーク前)につくと、サッサと川に入り魚すくいを始める。小さい子も親に抱えられこわごわと川の中へ入り片方の手で網を持ち川面をパシャパシャ叩いているもう一方の手は親の手をシッカリ握っている。
 3.4年生の男の子が「魚が入った!」と大声を出すと、近くにいた6〜7の子供が寄ってきて、魚のすくい方をじっと観察している。しばらく見ているとそれぞれ魚を追いはじめた。魚はなかなか網に入ってくれない。それでも何回かすくううちに「入った!入った!」の声がはずむようになってきた。私は前日からの体調不良で暫くは川土手から子供たちの姿を見ていたが、副会長の言葉に甘えて 対岸のセンダンの木陰で休み、時々立ち上がっては子供たちの様子を見ていた。40分もすると、皆の飼育ケースに何かが入っているようだ。川の、中から副会長の声がしたので、川土手まで下りて行って、川から上がるように指示して頂く。丁度よい時間だったのでしょう、皆もスムーズ 川から上がり、飼育ケースを高く持ち上げ、得意そうに回りの人達にも見せている。
 伊都歴史博物館に着くと、博物館の富田課長からスリッパや汚れた靴を洗う場所を教えて頂き、皆はそこで汚れた手足を洗い、スリッパ等を洗い、普段履きの靴に履き替え4階へ上る。皆が大体揃ったところで昼食にした。昼食が済んで朝残していた顕微鏡の観察机や顕微鏡で見るものを、シャーレに載せ見せたい部分が見られるようにした。そのうち皆も昼食が終わり自分たちがすくってきた魚の名前調べが始まる6図鑑を借りてお父さんと調べたり、今日の担当者に尋ねだり、その間、金貞氏は子供たちの席を回りながら、尋ねられた魚の体の様子や鱗の色や形などから、その魚の名前を教えてある。ひととおり回られてから、幾つかの魚を顕微鏡で見せて、側点やヒレの筋などを観察させ更に説明を加えてある。
皆がすくった魚の名前は
@ドンコ(ハゼ科)⇒フィリッピン、台湾、中国、朝鮮、南日本に住む淡水魚で、体の色は背が黒味がかった色であって、腹はうすく白い小さな点がちらばつている。左右の腹鰭は、おわんの形でハゼと同じ、下顎は上顎より長い。
Aギンブナ(コイ科)⇒アジア東部の温帯部、日本各地の川や池に広く住む。地方名ではマブナ。
Bオイカワの稚魚(コイ科)⇒日本各地の川の少し上流に住む。成魚で体長は約16 cmで、高さは体長の4分の1ほどである。色は背が青黒色で、体側には幅の広い青い鉛色の横班が12個ほどあり、腹は白い。繁殖期には雄の尻鰭が赤くなる(婚姻色が出る)
Cカワムツの稚魚(コイ科)⇒日本南部の川に多く東京以北には少ない。成魚で体長約15 cm。 高さ体長4分の1程度である。色は背が暗褐色で腹は銀白色をしており、体側に1本の縦の帯がある。
繁殖期には赤く変わる雄がいる(婚姻色が出る)。昆虫を好んで食べる。
Dニホンアマガエル(アマガエル科)⇒日本、朝鮮に広く住んでいる。体長は約4cm。 体の色は背が薄黒い灰色または緑色で、黒の斑点がある。腹は白色または淡黄色で小さいこふか数多くある。足のゆびの端に大きい吸盤を持っている。4月ごろに冬眠が終わって、5〜6月頃寒天質に包まれた卵をうむ。
Eエビ⇒今日すくったエビは体長約2cm。 体の色は黒味が多い。名前の判定は出来なかった。
エビ類は2000種と言われ、淡水にも、海水にも住んでいる。脚で歩いたり、ゆっくり泳いだり、後ろの方へ激しく跳ねたりする。また、羽化したあと、いろいろと変態して親になる。
F水の汚染を知る水生動物として・カゲロウの仲間・トビゲラの仲間を採集した。
トビゲラ類は羽がなく、脚がある。 カゲロウ類は短い羽が見えて、口は普通の噛む形をしている。
尾は2本か3本あり、肢の爪は2本ある。この場所の川は、少し汚れた水に住むカゲロウとトビゲラが住んでいることから、少し汚れてきていると言えます。このままの状態では、近々 ヒルやイトミミズが住むきたない川の水になるでしょう。一日も早く対策を打たれることを望みます。
 子供たちが採集した小魚や水生動物は上記の通りです。
魚を追い込みすくい上げる子供の顔はみんな生き生きとして楽しそうだ。親たちも久しぶりに仕事から開放され笑顔で一杯でした。親と子の自然観察会を開いた事に担当者一同喜びを感じている。
終わり


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