糸島自然研究会 2009年7月例会報告 いろは島〜高串(7月12日)

瀬知 従子
 H. 21年7月12日(日)梅雨日和、昨日の大降りの雨に不安があったものの今日は晴天で、みんなホツとしてバスに乗り込む。9時出発の予定であったが、予約の方がそろわずしばらく待って15分ぐらい遅れで出発する。45人乗りの大型バスにはやや寂しい人数であるが19人の参加者で楽しく収穫のある会にしよう。神在より二丈浜玉有料道路・バイパス線を通り「立花トンネル」や「鹿家トンネル」等、改めてトンネルの多さを確認しながら通過する。今日の海は美しい、しかしやっぱり少し梅雨の濁りが感じられる。
 唐津市の肥前町いろは島展望台への道はやや、ややこしくしばし山の中、突然窓に雨雨雨・・・、予備調査では通ったことの無い道で又、やや不安。大丈夫?とあわててシートベルトを締めなおす。時折目に付く濃いオレンジ色のオニユリか?コオニユリか? 10時半過ぎに展望台着。
 駐車場までは心配だった雨も展望台まで歩くうち止んで、いろは島の眺めを楽しめた。遠くは黒髪山までの眺めも可能であった。誰もの疑問であつた「いろは島」の名の由来も、むやみに多くも無く飛び飛びのならびに「いろはにほへと・・・」と口ずさみ「なるほどね」と自分を納得させた。
 さて、それからが本番。国民宿舎までをバスで降りるか、山の中の遊歩道を徒歩で降りるか。足が心配な方8名がバスで、11名は徒歩で降りることになった。(11時10分) 昨日相当に大降りだったので足元が心配であったが、降りロだけが急で後は全く安全な山道であった。むしろ腐葉土いっぱいのホクホク絨毯の様であった。この季節、花は少ないが春咲かせた花後につけた緑の果実が目立ち秋が楽しみである。
  今は緑の果実
       イヌビワ (クワ科・イチジク属)・・・・・・秋には黒紫に熟す
       カナクギノキ (クスノキ科・クロモジ属)・・・秋には赤く熟す
       ムクノキ (ブナ科・ムクノキ属)・・・・・・・秋には黒く熟す
       サンキライ (ユリ科)・・・・・・・・・・・秋には赤く熟す
       シロダモ (クスノキ科・シロダモ属)・・・・・秋には赤く熟す
  今は白っぽい果実
       アケビ(アケビ科・アケビ属)・・・・・・・・・秋には紫に熟してわれる
        (ミツバアケビに対してゴヨウアケビということもある) 
 花が少ない中にクズの花の色と香りは一段とみんなを引き寄せた。又普段は見慣れないカラスノゴマは可憐な黄色い花を咲かせている。野北の彦山で見たことがあるが海岸性のものであろうか。そういえば此処にはマムシグサは見かけずムサシアブミばかりが日に付くのもやはり海岸性を示している。
 他に花が見られたのはネムノキ・テイカカズラ・カラスウリ・ツクシキケマン・ベニバナボロギク・ツユクサ等であった。
 ウルシ属のハゼやヌルデは雨後だけに恐れつつ通過した。葉形の面白さで気づいたものに、カクレミノ・カエデドコロ・ハスノハカズラ・ノブドウ・ヒヨドリジョウゴ があった。
 アケビと果実がよく似たムベも、今はまだ果実は見れなかったが葉の硬さの違いを確認しあった。
 バスで降りた入たちには大変持たせてしまったが、散策略をいっぱい楽しませてもらって12時過ぎ、国民宿舎にたどり着いた。6000歩ほど歩いていた。
 それぞれに昼食をとったが、計画の1時集合は厳しいので2時に変更し、風呂を楽しむ人、ピーターパンの森を散策する人それぞれ自由時間とする。
 今日はカヤック大会があって、海は子ども違れでにぎわっていた。風が強く日照りの強さも我慢できる心地よさであった。
 ピーターパンの森で子どもに返り、しばし遊具で遊んでも見た。 ピーターパンの森はトベラ・カクレミノ・アカメガシワ・タイサンボクなど亜熱帯性広葉樹で覆われていた。
 2時出発して高串漁港のアコウの木を見に行く。崩壊危険地区に指定された堆積岩にへばりつくように育った大木、クワ科、イチジク属のアコウは他の木を絞め殺して育ったと聞くと不気味な植物である。幹の周囲から気根を伸ばしたり、校や幹にまるでいぼ状の果実(イチジク状)が並んでくっついているのも異様である。糸島地区では、ニ丈の福吉小学校の入り口にあるという。あらゆるところで「此処にしかありません」と大切がられている樹木である。
 途中切木牡丹園で休憩を取りその季節には来てみたいと確話しあって一路前原へ、4時20分頃 無事解散した。


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