※江頭 晶子氏(前原地区)の回答
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回答
回答者:江頭 晶子氏(前原地区)  メールにて回答(1/23)  *原文のまま掲載

<質問(1)>(有害)化学物質の暴露による健康被害から市民を守る為に。
住民は、公園、公民館、学校などの公共の施設への薬剤散布や床ワックスやシックハウス建材使用などから無意識のうちに暴露されており。これらからの健康被害が危惧されています。このような健康被害を引き起こさないよう、新市において環境基本計画や独自の条例・ガイドラインなどを策定し施行させるお考えはありますか?

回答 

1 約30数年前レイチェル・カーソン著「沈黙の春」を読み衝撃を受けたことを覚えています。農薬や化学物質が人体に与える影響を知りました。当時子育て真っ最中で、子どもたちに与える影響を考えるとき、できるだけ安全なものを選ばなければと考える生活でした。 当時は高度成長の時代で、規制が緩く、また、石油から作られる有害物質や、化学薬品も多く、食品添加物もたくさん出回り、それが人体や環境に悪影響を及ぼすなど知らされていませんでしたし、知りませんでした。「沈黙の春」を読んだ後は様々な本に出会い、食や環境問題に関心を持つようになりました。


2 日々の暮らしの中で、添加物が少ない食品を求める努力から、子どもたちの学校給食の問題に発展し、食材ばかりでなく、有害物質が出る食器の使用をやめさせる運動や、合成洗剤を使わない運動など、この頃から始めています。現在は「重曹でお洗濯」することで、水を守る運動もしていますし、最近は木綿のタオルとの出会いに感動しています。


3 子どもが成長する過程で、草むらで遊んで帰ってきた時に「赤い発疹」が手足にできたことがキッカケでアレルギーについて勉強を始めました。風呂場やトイレ掃除などで使う洗剤や、除草剤、野菜などに噴霧する農薬のことなど、仲間と一緒に勉強し、農薬使用による健康被害について知りました。国に対し有害農薬に対する使用制限などの規制をもうけてもらうため署名活動に参加したり、有害農薬の製造に規制をかけてもらうための運動もしてきました。その一方で、大変難しいのですが、使用しない活動もしてきました。使用することで、大地・水・空気が汚染することを常に考えています。


4 建築資材に使われる合成糊や、ワックスなどによる健康被害は、これまで原因が明確に化学物質によるものと認められず、個人の私病のように扱われてきた歴史があります。化学物質に対する、日本の規制は業者寄りで、なかなか規制が進まない実態があります。やっと科学的根拠も明らかになり、専門家が示す事例も少しずつ増えてはきていますが、まだまだ製造禁止や使用禁止の範囲が緩やかです。この規制は、罹病された方々の犠牲の上に成り立っています。国の規制をもっと強めていく必要がありますが、その一方で、子どもたちへの影響や、地域差による環境汚染を考えると、公的施設での使用については何らかのガイドラインは地方自治体でも早急に策定すべきと考えます。



<質問(2)>電磁波の暴露よる健康被害から市民を守る為に。
住民は、携帯基地局、高圧送電線などからの電磁波に暴露され続けており、時には深刻な健康被害を引き起こすほど危険なレベルの電磁波暴露を受けている場所もあります。新市において他の自治体でも取り組んでいるような電磁波からの健康被害を未然に防止する為の環境基本計画や独自の条例・ガイドラインなどを策定し施行させるお考えはありますか?

回答 

1 昨年「篠栗町の携帯電話中継基地局の設置に関する条例」を知り、一般質問で「前原市も策定すべきでは」と質問しました。行政の応えは「NO」でした。


2 私は、添付資料にあります諸外国がとっている「予防原則」の考えに立つ必要があると考えています。携帯電話ばかりでなく、現在は子ども達の中で流行っているゲームからの電磁波も課題と思っています。


3 電磁波の暴露による健康被害について日本は全くといっていいほど規制がありません。国に規制を求めることも必要ですが、携帯基地局や高圧送電線建設についての問題は、生活現場の住民の声、地方自治体の意見をもっと反映できるシステムが必要と思っています。したがって、予防原則の考えに立った条例は必要と考えています。



<質問(3)>貯蔵・輸送・公募などに問題点のある高レベル放射性廃棄物処分場について。
安全性が決して確保されることが無い核燃料サイクルについて警戒・危惧するところです。そこで「核廃棄物処分場の誘致」について端的にご質問いたします。原子力発電環境整備機構(NUMO)が行っている高レベル放射性廃棄物処分場設置可能性調査の公募についてどのようにお考えですか?

回答 

1 子ども達の未来を考えると高レベル放射性廃棄物処分場設置可能性調査の公募に応じてはいけないと考えます。でも、公募に応じないだけで問題は解決するとは思っていません。


2 そもそも、原子力発電所から出る放射能のゴミは現在溜まるばかりで、処分に困っています。その上、現在玄海原発で稼動されている危険なプルサーマル発電からは、使用済み核燃料(高レベル放射性廃棄物)がでます。その廃棄物は約500年間動かすことができません。ウランとは比較にならないほど高レベルの放射能を帯び、高温ですから、冷やし続けなければなりません。私は、プルサーマル発電は一日でも早く止めてほしいと願っています。


3 原子力発電所からは毎日確実に放射性物質が漏れ出ています。それは、私たちの体内にたまり、免疫系を破壊し、がん細胞を生み出します。また、アトピー、花粉症、白血病など、これらの疾病と放射性物質とは、けっして無関係ではないと私は思っています。


4 もし、事故があれば福岡市の半数の方が亡くなるだろうといわれています。糸島市は食べ物も、水も、畠も汚染され、被爆で亡くなる方、病気になる方、子ども達も健康が蝕まれるでしょう。こんな状況にしないために、まずは節電、そして、原子力発電を段階的に縮小し、一方で新たな自然エネルギーを活用すべきと考えています。


5 日本のエネルギーは、原子力発電が止まっても、火力、水力などで賄える環境にあります。原子力発電に頼らない社会は、これ以上放射能を増やすことのない社会です。原子力発電所を止めることは、これ以上の核のゴミを増やさないことにつながります。それは、私たちが電気の使い方を変えるだけで原子力発電所を止めることができるのです。そのひとつの例が、皆で早寝早起きするだけで、原子力発電所は止まります。