糸島市のこれからの図書館についての公開質問状
「糸島市の図書館を考える市民の会」から1/21付けで出された公開質問状です。
市長選挙候補予定者・市議選挙候補予定者の全てに出されたそうです。 このページへの掲載は市長候補者宛の文面となっています。
また、回答のデータを入手いたしましたら順次公開を致します。
※頂いたご回答を公開しています⇒≫クリック≪

糸 島 市 の こ れ か ら の 図 書 館 に つ い て の 公 開 質 問 状
2010年1月21日
糸島市長選挙立候補予定者

              様
糸島市の図書館を考える市民の会                    
 糸島市に本当の図書館を作る会「ぶっくくらぶ」
 志摩読書くらぶ
 引津おはなし かたつむりの会
 二丈・としょかん倶楽部
市民の会 世話人
 辻 桂子
 柳原 敦子
 水口 瞳
 大松 久美子

糸島市のこれからの図書館についての公開質問状

 私たちは、赤ちゃんからお年寄りまで、市民のだれもが、市内のどこに住んでいても、どんな資料でも生涯にわたって利用できる、『市民の本のある広場』としての市立図書館と学校図書館の充実、発展を願って市内で活動している市民の会です。
2010年1月1日に糸島市が誕生し、初めての市長選挙が2月14日に行われます。私たちは、新しく選ばれる市長が、図書館についてどのような考えを持たれるかが、新市の図書館のこれからの在り方に大きな影響を与えるものと考えています。私たちは、この度の市長選挙が、糸島市の図書館の充実に向けて歩みだす契機となることを願っています。
 つきましては、糸島市の図書館のこれからについて、お考えをお示しいただきたく、この質問状を送らせていただきます。なお、いただいた回答につきましては、広く市民に公表させていただきますのでご了承ください。
 なお現在、新市長、新議会宛てに糸島市の図書館の充実を求める署名活動を行っていますので、二月末に市民の会はもとより、広く市民の声をお届けする考えです。
以上、お忙しい時期に恐縮ですが、市民の思いにご理解を賜り、来たる1月29日までに同封しました封書により、ご回答いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
 ご健闘を心よりお祈りいたします。


1.新しく誕生した糸島市のこれからの市立図書館について、どのような構想を持たれているか、お尋ねします。とりわけ、高齢者や図書館利用にハンディキャップのある人(様々な障がいのある方、車に乗れず図書館が遠くて行けない人など)への図書館のサービスについて、どのようにお考えですか。 (参考:添付資料 @,F )


2.糸島地区で、これまで公立図書館があったのは旧前原市のみでした。これからの糸島市の図書館の在りかたを考える時、私たちは旧前原市の図書館の運営や活動について、どのように考えるかが大切だと考えます。全国の人口同規模の市立図書館と比べて前原市立図書館の在りよう(職員の体制、年間の資料購入予算、施設、利用状況)をどのようなものとお考えですか。 (参考:添付資料 A,B )


3.合併協議会で二丈庁舎に図書館ができることが決まっていますが、私たちは市民の「だれもが」「どこに」住んでいても利用できる糸島市の図書館の基本構想を、市民や有識者参加のもとにまず作って、市民に明らかにすることが第一に取り組むべきこと、そのための市民参加の委員会を早急に設置すべきだと考えますが、どのようにお考えですか。


4.二丈図書館開設に向けて準備室を設置し、担当の正規職員を配置し、準備に取り組むことが必要だと考えますが、お考えは。 (参考資料  F,G  )

5.志摩地区ついても図書館が必要だと考えます。そのことを糸島市の図書館計画に位置づけることが重要だと考えますが、お考えは。


6.移動図書館について。私たちは図書館施設が身近に、歩いて行ける所にない大多数の市民のために、移動図書館のサービスの拡充が緊急の課題だと考えます。(図書館のサービス圏、図書館を日常的に利用できる範囲は、図書館から歩いて約10分、距離で800~1,000mくらいにほぼ限られ,1,5qをこえると、利用は極めて少なくなることが分かっています。)移動図書館は、大きな費用をかけずに、早くにサービスの充実に取り組めるものです。まず、正規職員を配置して、図書館から遠い幼稚園、保育園、小、中学校や高齢者施設、要望のある地域への巡回が必要だと私たちは考えていますが、お考えは。


7.職員体制について。旧、前原市の図書館の一番の課題は、専門職の正規職員が極めて少ないことにあったと考えます。図書館の役割の重大性、その仕事の専門性から考えて、新市の人口規模に相応しい正規の専門職員(司書)の配置が必要です。新市の職員の中には司書の資格を有する職員や図書館での勤務を希望する職員がいると聞いています。
まずそうした職員の中から図書館に配置することについて、どのようにお考えですか。
 このことでは、国において、平成の市町村合併をすすめるに当たって、まず言われていたのは、合併によって職員の削減などにより、行政の効率化を図るということでしたが、その際、同時に言われていたのは、教育や福祉など専門的、必要な分野には職員を配置していくということでした。糸島市において、まずそのことに取り組み、市民にとって合併して良かったと思える市となってほしいと考えます。そのような図書館づくりを市民とともに始める市政の始まりとなることを願っています。 (参考:添付資料  B )

8.学校図書館の充実について。小、中学校の児童生徒にとって、一番身近な図書館は学校図書館です。糸島の未来を担う子どもたちの学習、教育環境の充実を力を尽くして図ることは、市民の切実な願いです。私たちは、学校図書館の充実は子どもたちの学びと成長にとって欠くことのできないものだと考えますが、教職員の先生方にも、よりよい教育実践のために不可欠なものだと考えます。糸島市の学校図書館の充実を図るため、
@学校図書館振興基本構想、基本計画の策定とともに、
A緊急の課題として、現在、配置されている学校図書館職員(臨時職員)の半日勤務を全日勤務(嘱託)にすることと
B図書の整備が必要だと考えます。
とりわけ学校図書館のいのちである図書の整備については、文部科学省において『学校図書館図書整備5カ年計画』として、平成14年度より平成18年度までの5年間では単年度130億円(総額650億円)、又、平成19年度から平成23年度までの5年間では単年度約200億円(総額1000億円)が地方財政措置(地方交付税の交付)がされていますが、平成20年4月に公表された全国の自治体の予算措置率(その自治体に学校図書館の図書費として交付された交付税の何パーセントを図書費に充てたか。)では、平成19年度の全国平均が78%、福岡県の平均が97.1%でしたが、福岡県内で100%を超える自治体が69市町村中22市町ある中で、糸島では前原52.3%、志摩55.2%、二丈54.5%でした。すでに文科省による蔵書充実のための交付がされて8年で、この間の不十分な予算措置も問題ですが、まずは、新年度からは交付税措置された図書費の予算化、さらにその上積みが必要だと考えます。以上、3点についてどのようにお考えでしょうか。 (参考:添付資料  C,D,E  )

〔添付資料 〕
@ 「図書館からの政策提言」(日本図書館協会2006) data_01・PDFファイル≫クリック≪
     ※「図書館に関する政策についての日本図書館協会の質問と政党の回答」はこちら⇒≫クリック≪

A 2008(平成20)年度 福岡県内貸出順位表(人口当たり) data_02・PDFファイル≫クリック≪

B 図書館サービスの望ましい指標と前原市図書館、糸島市図書館の比較 data_03・PDFファイル≫クリック≪

C 平成19年度 福岡県内学校図書館図書購入費(予算措置率)順位表 data_04・PDFファイル≫クリック≪

D 「学校図書館図書関係予算措置状況調べ(平成18,19年度)」の結果 data_05・PDFファイル≫クリック≪

E 学校図書館図書の地方財政措置 data_06・PDFファイル≫クリック≪

F 「図書館にはDNAが大事なのです。」菅原 峻 data_07・PDFファイル≫クリック≪

G 「東近江市立蒲生図書館を訪ねて」 data_08・PDFファイル≫クリック≪