「WEB版伊都楽紙」は、西日本新聞のエルルに3週間おきに掲載されている「伊都楽紙」の一部を再構成し、いとぐらのコンテンツの一つとして再掲しております。

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 2004年のバックナンバーです。

ぶらっとみゅーじあむ 04/12/11号・・・(12/28)  ぶらっとみゅーじあむ 04/11/20号・・・(11/26)

ぶらっとみゅーじあむ 04/10/30号・・・(11/12)  ぶらっとみゅーじあむ 04/10/9号・・・(10/12)



  2004年12月11日(土)
 
◎お正月は我が家に「オリジナルリース」を
 「リース作りなら古藤さん」との情報から、二丈町役場で二丈町健康ふれあい施設「二丈温泉きららの湯」対策係の古藤初子さん(56)を二丈町福井の自宅に訪ねました。
 シンプルで艶やかなリースを作る古藤さんは「リース作りは材料集めが肝心」と材料集めに丸1年を費やします。年末に出回る材料は来年用に購入、青い松かさを採取し、まんべんなく陽に当て形良く開かせるなど、リース作りは長期計画です。リース作りを初めて約10年、今ではご主人が縄綯(な)いを加勢し、1年に作るリースは100個以上というから驚きます。「簡単に出来るリース」ということで作り方を紹介していただきました。飾る材料で季節感が変わるので「お正月のみならずクリスマス、ハロウィン・・・と年中楽しめます」。家族団らんが似合う季節、我が家のオリジナルリースで年末年始を彩ってみてはいかが。(甲)
◎お正月リースの作り方
@:わらを3本綯いの左綯いにする。

A:@のわらを輪にし針金で2カ所固定。

 わらの先は白い和紙を巻く。(リース土台完成)。

B:土台に飾りの材料を針金で固定。

C:ミニ熊手にBを針金で固定。
◆左綯いは右手を向こう側から手前に引いて撚りをかける、
 普通に綯う時とは逆向きの綯い方。
                  注:連縄は左綯いで作る。

◆松かさは金・銀などのスプレーをかけ、

 固定用に針金をかけておく。

◆紅白の和紙は蛇腹に折り
 中央を折り曲げ
 針金でくくり扇状にする。

◆その他、造花、水引、
 稲穂、松の小枝など。

◆わらのリース、水引、
 ミニ熊手などの材料は
 手芸店・ホームセンターなど
 で手に入る。
 


 ピアノギャラリー・オオシロ 2004年11月20日(土)
 
◎音を売るギャラリー
  「ピアノギャラリー・オオシロ」はピアノを製作するピアノ工房でもなく、普通のピアノ店とも違う「音を売るギャラリー」です。
オーナーの大城肇さん(51)=志摩町赤隈=はピアノの売買、調律、修理、オーバーホールが仕事ですが、調律は音程を合わせるだけではないというのが持論。では調律とは何か?
珍しい燭台付きのピアノ大城肇さん
 しいて言えば、調律は「栄養価」、音色は「味」、タッチは「食感」で、この3つをハーモニーさせ、それぞれのピアノの持ち味を引き出すことだそうです。
調律は人次第、調律師の音楽性が大きく関わる。調律を終えると「これがわが家のピアノ?」と驚く人が多い。
しかし、ピアノの音色やタッチは言葉で説明できないもの、工房で私の手掛けたピアノを弾いて聴いてほしい。
自分の手で生まれ変わったピアノは作品だから「音を売るギャラリー」。
グランドピアノを調律中  調律中の白いグランドピアノは志摩町の引津小学校体育館にあったピアノをオーバーホールし、白く塗装しなおしたもの。現在は糸島で行われるコンサートに貸し出すピアノとして新しい運命を歩みだした。子どものころから大の音楽好き。音楽好きというより楽器が好きで、中学生のころにギターを手作りしたこともある。 桜野小学校そばログハウス風のギャラリー
調律という仕事があるのを知り迷わず進路を決め、22年経った。マンションなどでは気兼ねしてピアノを弾いている人が多いので、簡単にできる防音板の作り方を教えますとのこと。
※いとぐら工房めぐりでの紹介≫クリック≪

志摩町赤隈5782 327-1626 ギャラリーの見学は電話予約してください。
防音板は自作の場合2千円程度。 ピアノギャラリー・オオシロのHP≫http://www3.ocn.ne.jp/~ohshiro/
 


 海辺の手作り石けん工房 暇楽(からく) 2004年10月30日(土)
 
◎糸島の自然素材を使った無添加石けん
 天井まで届く棚に乾燥中の石けんが並ぶ店内・・・今年5月に志摩町芥屋にオープンした「暇楽」さんを訪ねました。店主は3年前に福岡市内から転居した前田まさよさん(35)。
前田まさよさん 15年間続けたメイクの仕事で市販化粧品に疑問を持った前田さんは、ある本をきっかけに石けん作りを始めました。ところが最初に作った石けんは全く泡がたたなかったとか。3年間の研究後、現在は10種類前後の石けんを店舗やインターネットで販売しています。

 50坪のみかん倉庫をご主人が改装し、約半分を店舗とフリースペースに。白を基調とした店内にアンティークな展示ケースやベンチを心地良く配置しています。近所の女性をはじめ、県外からの来客もある「暇楽」の人気商品は、ローズマリーの香りの「レッドクレイ石けん」。赤みのあるレッドクレイのマーブリング模様はひとつひとつが違います。他には根強い人気の「天然にがり石けん暇楽(からく)」やビタミンCたっぷりの「ローズヒップ石けん」も。またベビー用の優しい泡立ちの石けんにオーガニックコットンのスタイなどを詰め合わせたベビーギフトも喜ばれているそうです。

 水、油、カセイソーダを混ぜて作るシンプルな石けんには、合成保存料などの添加物は一切使いません。出来上がるまでに1〜2ヵ月、1ヵ月に作る個数は多くて3000個。「必要な人に私の商品が届けば良い」と大量生産、大量消費社会に一石を投じます。
レッドクレイ石けん おしゃれにレイアウト
人気の「レッドクレイ石けん」↑
 練り込む素材は糸島の自然素材にこだわり、天然にがりや、竹炭、サトウキビからとる黒糖など。「これからも糸島の素材を探し、少しずつ、長く作り続けたい」。生活を見つめ直すきっかけ作りの挑戦は続きます。

志摩町芥屋3728-6 328-1345 営業時間は11-17時 定休日は毎週月・木曜日 電話での注文にも応じます。
天然にがり石けん800円、ベビーギフトセット5500円など。 暇楽のHP≫http://www.ka-la-ku.com
 


2004年10月9日(土)
 
◎支えあう喜びが「しあわせ地蔵」の笑顔
 「しあわせだから幸せそうなお地蔵様が描けるんですか?」インタビューは単刀直入に始まった。「いいえ、幸せになりたいなあという素直な気持ちが絵になっているだけ。しあわせ地蔵を書いて一番幸せにしてもらっているのは自分ですよ」と松本芳太郎さん(49)=前原市高田=は語る。
松本芳太郎さん しあわせ地蔵を書き始めたのは7年前。篠栗の南蔵院で「わらべ地蔵」を見て書いてみたのが始まり。絵は仕事ではなく趣味だった。以前の職場に飾った絵が評判を呼び、進められてイベント会場で実演していると人が集まり「気持ちにぴったり」「癒される」と感動してくれた。自分を救うために書いていた絵や言葉が世の中の和みになることを知り驚いた。

 夜、ほろ酔い加減で筆をとる。絵と言葉どちらが先とは限らない。ちょうどいいのが浮かんでくる。和紙や色紙に顔彩絵の具を使う。宗教画を書いているつもりはない、生きている現実を絵にしただけ。子どもや家族の一言からひらめきがうまれることもあるし、風花福祉作業所所長として勤務していることも影響が大きい。障害者の方たちが葛藤の中で、楽しみや笑いを共有して生きていることに励まされることから生まれるものも多い。
 「怒りなさるな、浮かれなさるな、悲しみなさるな、今ひとときのこと」父の最後の言葉もしあわせ地蔵の絵に添えたことがある。最近立て続けに肉親を看取った。人生感を変えるほどの出来事だったが、絵は生きる意味を知り明るくなった。人という字のように支えあっていることを感じられるから生きている絵が描ける気がする。
 記事に掲載するために作品を選んでいたら、一枚の絵に添えられた言葉に涙があふれ、お地蔵様に頭をなでられたような暖かい気持ちになった。あまりに素直な気持ちで描かれているので、見る人の心を無防備にさせてしまうようだ。(桂)

伊都美術工芸協会 URL:http://www.itogura.com/ibikyo/ 事務局長 松本芳太郎 090-8668-1490
作品展/アートinすせんじ 街ごと美術館 10月22日〜11月1日 周船寺商店街
 








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